天候の影響を受けた米国の雇用統計(2017年9月)ハリケーンの影響を除けば、基調はしっかりしている

天候の影響を受けた米国の雇用統計(2017年9月)

 

【ポイント1】雇用は約3万人の減少

ハリケーンの影響と見られる

 

■2017年9月の非農業部門雇用者数は、前月比3.3万人の減少となり、ブルームバーグ集計による市場予想の同8.0万人増を下回りました。

■米国南部を襲ったハリケーンの影響によると考えられます(雇用者としてカウントされるには、調査対象週に、労働して賃金の支払いを受ける必要があります)。実際、「天候が原因で働けなかった労働者」の数は147.4万人と、寒波に見舞われた96年1月の184.6万人以来の高い水準となりました。

 

 

 

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【ポイント2】失業率は低下

賃金上昇率は加速

 

■失業率は前月比0.2ポイント低下の4.2%となりました。労働力人口を上回るペースで、就業者数が増加したためです(雇用関係さえ維持されていれば、就業者としてカウントされます)。

■賃金上昇率は前月比で+0.5%、前年同月比では+2.9%となりました。8月のそれぞれ+0.2%、+2.7%から加速しましたが、ハリケーンの影響で上振れした公算もあり、注意が必要です。

 

 

 

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【今後の展開】金融緩和の解除は慎重に進められる見通し

 

■雇用統計が公表された6日の米国市場は、株価、債券価格とも下落(債券利回りは上昇)しました。失業率の低下や賃金上昇率の加速など、雇用統計の内容は概ね米景気の順調な拡大を示すものでしたが、北朝鮮によるミサイル発射が近いとの観測が相場のかく乱要因となりました。一方、外為市場では、リスク回避の円買いが優勢となりました。

■9月の雇用減は、天候の影響を受けた一時的なものである可能性が高く、米連邦準備制度理事会(FRB)の景況判断を大きく変えるものではないと考えられます。従って、FRBは引き続き金融緩和の解除を進める見込みです。ただし、物価上昇率が低い水準にとどまっていることから、緩和解除のペースは引き続き緩やかと予想されます。

 

 

 

(2017年 10月 10日)

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