最近の指標から見る日本経済(2017年10月)製造業中心に今後も緩やかな景気拡大が見込まれる
最近の指標から見る日本経済(2017年10月)
【ポイント1】生産は前月比増加に転じる
自動車や半導体関連が牽引
■8月の鉱工業生産指数は前月比+2.1%と市場予想(同+1.8%、ブルームバーグ集計)を上回り、前月比で増加に転じました。生産指数、出荷指数の増加に加えて在庫指数が減少しており、内需や輸出の好調さを背景とした増勢が続いています。半導体製造装置などのはん用・生産用機械や輸送用機器などがけん引しました。
■製造工業生産予測調査によると、9月は同▲1.9%と、一旦減少が見込まれていますが、在庫が減少しているため生産の減少は一時的と見られます。10月は同+3.5%と見込まれています。これに基づくと、2017年7-9月期は前期比+0.2%と、増勢を維持すると見込まれます。
【ポイント2】消費者物価は上昇
エネルギー価格上昇が主因
■8月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比+0.7%と、7月の同+0.5%から上昇幅が拡大しました。エネルギー価格の上昇や公共サービス価格の上昇が主因となりました。
■8月の実質消費支出(二人以上の世帯)は雇用改善などが下支えして前年同月比+0.6%となりました。自動車の購入や住宅リフォームなどが好調でした。
【今後の展開】日本経済は製造業中心に緩やかな景気回復が続く見込み
■日本経済は消費の力強さを欠きますが、海外景気の堅調さに加えて、iPhoneの新製品効果や中国の環境規制による供給削減の追い風もあり、製造業中心に緩やかな景気回復が続くと見込まれ、株式市場の下支え要因となりそうです。一方、物価上昇ペースは緩やかなものにとどまると見られることから、金融緩和の継続が見込まれます。利上げが見込まれる米国との内外金利差の拡大は、円安・米ドル高要因となりそうです。
(2017年 10月 6日)
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