インド市場の現状と見通し(2017年9月)株式・債券・通貨は持ち直しへ

インド市場の現状と見通し(2017年9月)株式・債券・通貨は持ち直しへ

 

【ポイント1】株、債券、通貨が下落

財政悪化懸念がきっかけ

 

■9月中旬まで上昇してきたインド株式市場は、21日の景気対策の観測報道を受けた財政悪化懸念をきっかけに利益確定の売りが強まり、主要株価指数のSENSEXがそれ以降5日続落するなど調整しています。

■インドの10年国債利回りは、9月初旬に一時6.4%台まで低下しましたが、財政悪化懸念から足元では6.6%台に上昇しています(債券価格は下落)。

■通貨インドルピーも、財政悪化懸念が嫌気され、対ドルで約半年ぶりの水準に急落しました。

 

 

20170929as1

 

 

 

【ポイント2】景気の減速は一時的

投資マネーは再び資金流入へ

 

■インド政府が景気対策を検討するのは、4-6月期の実質GDP成長率が前年同期比+5.7%と、7月の物品サービス税(GST)導入の影響でやや下振れたためです。ただし、GST導入による混乱は一時的と考えられ、今後は在庫回復や景気対策により、景気が加速することで、歳入の増加も期待されます。

■財政悪化懸念を受けた市場の反応はやや行き過ぎと考えられます。米国の利上げペースが緩やかと見られるなか、財政悪化懸念を嫌気して流出した投資マネーは、インド経済の持ち直しにより再び流入すると思われます。

 

 

 

20170929as2

 

 

 

【今後の展開】株式・債券・通貨は底堅さを取り戻そう

 

■インド株式市場は、景気の持ち直しに加え、中長期的にはGST導入による経済の効率化から企業の利益成長加速が期待されるため、堅調さを取り戻すと見られます。インドの債券市場は景気対策に伴う財政悪化懸念の織り込みが進んだと見られること、インフレの上昇はある程度抑制される見込みであることから、更なる金利上昇余地は限られ、落ち着きを取り戻すと思われます。インドルピーは、経済の高成長や改革期待を背景に資金流入が期待されるため、対ドルで底堅く推移する見込みです。

 

 

 

(2017年 9月 29日)

印刷用PDFはこちら↓

今日のマーケット・デイリー インド市場の現状と見通し(2017年9月)株式・債券・通貨は持ち直しへ

 

関連マーケットレポート

2017年9月28日 アジア通貨の動向(2017年9月)
2017年9月28日 インドの『モディ改革』、続々と実行中!

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会