『ドイツ総選挙』、メルケル首相が4選へ

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『ドイツ総選挙』が9月24日行われ、メルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が議席を減らしながらも第1党となり、メルケル首相の4選が確実になりました。今年の欧州は、3月のオランダを皮切りに、4~5月にフランス大統領選挙、6月にフランスや英国で総選挙が実施され、「選挙イヤー」となっています。各国で右派勢力の台頭が見られるなか、メルケル首相の政権運営は難しいかじ取りが求められそうです。

【ポイント1】メルケル首相率いる与党が第1党

「ドイツのための選択肢(AfD)」が第3党に

■24日投開票の『ドイツ総選挙』の結果、メルケル首相が率いるCDU/CSUは第1党となりましたが、得票率を前回の41.5%から33%に大きく減らしました。同様に、CDU/CSUと連立政権を組む第2党の社会民主党(SPD)も得票率を25.7%から20.5%に減らしました。

■これに対して、難民の受け入れに反対する新興の右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は12.6%と、初めて議席を獲得し、一気に第3党に躍進しました。その他政党の得票率は、「自由民主党」10.7%、「左派党」9.2%、「緑の党」8.9%となりました。

 

【ポイント2】メルケル首相は連立協議へ

「自由民主党」、「緑の党」との連立模索

■メルケル首相は24日夜、厳しい選挙結果となったことを認めたうえで勝利宣言し、議会での過半数を得るため他党との連立協議に臨む姿勢を示しました。

■ただし、これまで連立を組んできた社会民主党が交渉に応じないことを明言したため、連立交渉は、企業寄りといわれる「自由民主党」と環境保護派の「緑の党」との間で行われると見られます。3党の連立は、各党のイメージカラーから「ジャマイカ連立」と呼ばれます。

■「ジャマイカ連立」については、連立交渉が難航することも想定されます。「自由民主党」が経済界寄りである一方、「緑の党」は環境政策で規制に前向きであるなど、立場が対極にあるからです。

 

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【今後の展開】メルケル首相は難しいかじ取りが求められる

■メルケル首相の「ジャマイカ連立」への交渉は難航が避けられないものの、他の2党はメルケル首相の基本政策(欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)、国際協力の重視)を支持しているため最終的に合意は可能と見られます。ただし、3党連立により「自由民主党」や「緑の党」の主張を取り入れれば、EU政策や英国のEU離脱交渉に影響を及ぼす可能性もあります。メルケル首相の裁量範囲は小さくなることが考えられ、難しいかじ取りが求められるなか、政権運営手腕が注目されます。

 

(2017年 9月 26日)

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