インドの経済・市場動向(2017年9月)景気は持ち直しへ、株式、通貨は底堅い展開

インドの経済・市場動向(2017年9月)景気は持ち直しへ、株式、通貨は底堅い展開

 

【ポイント1】4-6月期GDPは減速

7月のGST導入の一時的影響

 

■2017年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+5.7%と、市場予想(ブルームバーグ集計、同+6.5%)を下回り、1-3月期の同+6.1%から伸び率が鈍化しました。

■物品サービス税(GST)導入を7月に控え、納税負担の関係で企業が商品調達を抑制したことから受注、生産が減少し、消費が伸び悩んだことが要因です。

■ただし、GST導入による混乱は一時的と考えられ、8月の製造業PMIの急反発が示すように、今後在庫回復が進み、景気は7-9月期以降持ち直すと見られます。

 

 

 

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【ポイント2】消費者物価は上昇率拡大

金融政策は据え置きの見込み

 

■インドの8 月の消費者物価指数は前年同月比+3.4%と、7月(同+2.4%)から上昇率が拡大しました。約4割のウェイトを占める食品がプラスに転じたことが主因で、6月を底に反転しています。

■足元のインフレはインド準備銀行(中央銀行、RBI)の物価目標(+4%)を下回っているものの、RBIは公務員住宅手当引き上げなどの影響から年度後半にインフレが加速すると見ているため、金融政策を据え置くと思われます。

 

 

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【今後の展開】景気は持ち直しへ、株式、通貨は底堅い展開

 

■インド経済はGST導入の影響から一時的に足踏みしましたが、GSTを巡る混乱は早晩収束し、景気は持ち直すと考えられます。主要株価指数SENSEXは足元で過去最高値圏にあります。中長期的にはGST導入による経済の効率化から企業の利益成長加速が期待され、インド株式は堅調な展開が見込まれます。

■インドルピーは、経済の高成長や改革期待を背景にインドへの資金流入が続いていることから、対ドルで約2年ぶりの高値圏で推移しています。今後も資金流入の継続から、インドルピーは底堅い動きとなりそうです。

 

 

(2017年 9月 20日)

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