『大相撲』と「景気」の深い関係

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2012年12月から始まった日本の景気回復は、今年の9月で58カ月目に入ったとみられ、「いざなぎ景気」の57カ月を抜き、戦後として単独2番目の長さになることが確実視されています。堅調な経済指標の発表が続く中、身近なデータにも明るい兆候が見られます。本レポートでは、身近なデータの例として『大相撲』に焦点を当て、景気との関係について考えてみたいと思います。

【ポイント1】 懸賞本数は3場所連続で前年同場所比プラス

企業の広告費、収益と連動しやすい

 

■景気動向指数の基調判断は、16年10月分で、それまでの「足踏み」から「改善」に上方修正され、9月7日発表の17年7月分まで10カ月連続して「改善」の判断が継続しています。また、4-6月期の実質GDP成長率は、11年ぶりに6四半期連続の増加になるなど、日本の景気は緩やかな拡張が続いています。2012年12月から始まった「アベノミクス景気」と呼ばれるこの景気拡張は、今年の9月で58カ月目に入ったとみられています。

■一方、『大相撲』の懸賞本数を見てみると、名古屋場所まで3場所連続で前年同場所比でプラスとなっています。『大相撲』には、企業が1本62,000円で懸賞をかけることができますが、国内の企業収益の改善や世界景気の拡大を背景に、広告費を出す余裕が出てきているためと考えられます。

 

【ポイント2】 大記録は景気上向きの支援材料に

記録更新時は全て景気の拡張局面

 

■7月には、『大相撲』名古屋場所で横綱・白鵬が、これまで元大関魁皇の持っていた記録である1,047勝を上回る、1,050勝の通算勝ち星の新記録を樹立したことが、全国紙の一面を飾りました。『大相撲』が6場所制になってからの記録を更新したのは元小結・大潮、元横綱・千代の富士、元大関・魁皇で、これまでの記録更新は全て景気の拡張局面になっています。大記録の達成などは、メンタル面で人々にプラスの効果をもたらしていると考えられます。

 

 

 

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【今後の展開】 秋場所の落ち込みは一時的か

 

■今秋場所では、白鵬、稀勢の里、鶴竜の3横綱が初日から休場し、懸賞本数は当初の申し込みよりも200本減少したものの2,064本(8日時点、各種報道による)と、2,153本と史上初めて2千本を超えた今年夏場所に続く勢いとなっていました。ただ、人気力士である大関・髙安と前頭の宇良も途中から負傷のため休場になったことが影響し、昨年秋場所の1,675本を超えられるかどうか不透明な状況となっています。人気力士の早期の復帰とさらなる活躍により、日本の景気を盛り上げてくれることを期待したいですね。

 

(2017年 9月 14日)

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