再び注目されている『テーパリング』とは?

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『テーパリング(tapering)』とは、量的金融緩和政策における金融資産の買い入れ額を縮小することを指します。一般に、中央銀行は金融緩和として政策金利の引き下げを行います。主要国・地域では、これに加え国債や社債などの有価証券を買い取り、市場に資金を供給する量的金融緩和を実施してきました。最近では、欧州で景気が回復基調にある中で、金融政策を正常に戻すべく、『テーパリング』が検討されています。

【ポイント1】 リーマン・ショック以降の景気後退で主要国は量的金融緩和を導入

日本と欧州は現在も量的金融緩和を実施中

 

■リーマン・ショック以降の世界的な景気後退に対して、日・米・欧の主要国・地域では金融緩和策が強化されました。日本では、2013年4月に「量的・質的金融緩和」が導入され、日銀は長期国債やETF、J-REITなどを購入しています。また、欧州では欧州中央銀行(ECB)が国債や社債などを毎月600億ユーロ購入する、資産購入プログラムを実施しています。

 

 

 

【ポイント2】米国はQE3を終了後、『テーパリング』を実施

ただし、資産総額は現在も維持

 

■米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、リーマン・ショック以降3度にわたり量的金融緩和(QE1~3)を実施しました。3度目は2012年9月に住宅ローン担保証券(MBS)を、12月に長期国債を、合計で月850億米ドル購入すると決定しました。

■米国経済の回復に伴い、QE3導入から約1年後の2013年12月、FRBは『テーパリング』(資産購入額の段階的な縮小)を始めました。金融政策の決定会合のたびに長期国債とMBSの月購入額をそれぞれ50億米ドルずつ減額することを決定し、2014年10月にはQE3を終了させました。ただし、FRBが購入して保有する資産の総額は、満期を迎えた国債への再投資などを通じて、現在も維持されています。

 

 

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【今後の展開】ECBは今秋の理事会で『テーパリング』開始時期を明示する見込み

 

■日本では当面現在の金融緩和が続くと見られる一方、ユーロ圏では景気が回復していることのほか、現在の資産購入プログラムについて2017年12月末までしか定められていないことから、『テーパリング』についての議論が話題となっています。8月下旬のジャクソンホール会議において、ドラギECB総裁は『テーパリング』について具体的なコメントをしませんでしたが、今秋のECB理事会において『テーパリング』開始の時期を明示すると見られており、注目されます。

 

(2017年 9月 6日)

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