世界の「投信マネー」 株式への流入が減少。債券は新興アジアが増加

世界の「投信マネー」 株式への流入が減少。債券は新興アジアが増加

 

株式は今年に入り初の100億ドル割れ

 

■EPFRグローバル(注1)で世界の「投信マネー」の17年8月の資金フロー動向を見ると、株式ファンドは97億ドル(7月299億ドル)の流入超と今年に入り始めて100億ドルを割り込ました。債券ファンドは若干減少したものの266億ドル(同330億ドル)の流入超でした。

■8月の株式ファンドは先進国全般に投資する「グローバル」が65億ドル(前月214億ドル)、「欧州」が▲0.2億ドル(前月79億ドル)と大幅に減少しました。「新興国アジア(EMアジア)(注4)」も6億ドルの流入超と前月の21億ドルから減少しました。

■「北米」は5カ月連続の流出超となりました。

 

債券は新興アジアへの流入が増加

 

■債券ファンドは「北米」中心の流入超に変化はありません(8月124億ドル)。先進国全般に投資する「グローバル」は48億ドル(前月62億ドル)と、若干減少し、「欧州」は51億ドルと7月(24億ドル)より流入超過額が拡大しました。

■新興国は、43億ドルと7月(55億ドル)より減少しました。新興国の中では「EMアジア」の流入超過額が15億ドル(前月10億ドル)と唯一拡大しました。新興国の中でも、成長率が高く通貨や物価が安定しているEMアジアに出遅れ感があることなどが背景と考えられます。

 

潤沢な流動性は北米債券やアジア債券へ

 

■今後、欧州、米国ともに金融政策の正常化は極めてゆっくりとした速度で進むと見られる一方、流動性が潤沢な状態は当分継続する見通しです。潤沢な流動性は北米債券や、ファンダメンタルズの改善を受けたアジア新興国へ引き続き向かうと考えられます。

 

 

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(2017年 9月 5日)

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