8月の『天候不順』がもたらす様々な影響

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8月は、北・東日本などで記録的な長雨から日照不足、気温低下となり、『天候不順』から消費者心理が一時的に落ち込み、消費者態度指数が低下するなどしました。生鮮食品価格が値上がりしたり、ビールやアイス、夏物家電の売れ行きが不振となるなど、多方面で『天候不順』の影響が出ています。7月の猛暑、8月の『天候不順』と、天候の大きな変化を感じるなか、今後の季節予報と合わせて、景気への影響などを見ていきます。

【ポイント1】 8月は記録的な長雨で、北・東日本で日照不足・気温低下

『天候不順』による生活への影響が懸念され、消費者態度指数は低下

 

■8月は、東京都心では月間で27日も降雨が観測されるなど、記録的な長雨となったことが注目されています。また、雨や曇りの日の多さから日照時間もかなり少なく、観測地点別では大船渡や仙台、東京では8月の月間日照時間が過去最少となり、こうした影響から北日本を中心とした太平洋側などでは気温が低下しました。

■『天候不順』は、消費者心理にも影響を与えています。9月1日に発表された「消費者態度指数」は前月比▲0.5ポイントの43.3ポイントとなり、構成項目の全てが前月から低下しました。長雨などの『天候不順』による今後の生活への影響が懸念されたと見られており、内閣府は消費者心理の基調判断を「ほぼ横ばいとなっている」と下方修正しました。

 

 

 

【ポイント2】食品価格の価格上昇のほか、夏物商材が不振

一方、沖縄・奄美や関西では比較的、好天だった

 

■まず、長雨や日照不足の影響として考えられるのが生鮮食品価格の上昇です。トマトやキュウリなどの果菜類は出荷量が少なく、平年よりも価格が高いほか、果物類は糖度不足が心配されています。コメについても日照不足から収穫への影響が懸念されています。また、ビールやアイスなど食品に加え、7月に好調だったエアコンや扇風機などの家電の売り上げも例年より減少しています。

■北・東日本でのこうした『天候不順』が注目される一方で、沖縄・奄美では月間日照時間が過去最多となったほか、関西でも比較的、好天に恵まれました。このため、関西などでは夏物商戦は好調だったようです。

 

 

 

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【今後の展開】好天予想から、消費回復やレジャー活況に期待

 

■『天候不順』により消費者心理は一時的に落ち込み、景気への影響が懸念されますが、一足先に秋を感じる天候となったことで、百貨店などでは秋物衣料が好調に売れ出すなど、好影響も見られています。気象庁の3カ月予報によると、9~11月は全国的に平年よりも気温が高くなり、降水量も平年並みか少ない見込みです。秋の好天により、外出しやすくなり、消費の回復やレジャーが活況となることなどが期待されます。

 

(2017年 9月 5日)

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