堅調を維持する米国の社債市場(2017年8月)相対的に利回りの高い社債への需要は引き続き強い

堅調を維持する米国の社債市場(2017年8月)

 

【ポイント1】底堅い展開

8月は株価を上回るパフォーマンス

 

■2017年8月の投資適格債指数は前月末に比べ+0.75%となったのに対し、ハイイールド債指数は同▲0.27%となりました(8月29日現在)。

■トランプ内閣の内紛や、北朝鮮のミサイル発射等、国内外の政治情勢に不透明感が高まったことから、リスク回避の動きが強まったためと見られます。

■ただし、S&P500種指数の同▲0.75%よりは、ともに上でした(指数はいずれもトータル・リターン指数、右図の注3を参照)。

 

 

 

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【ポイント2】社債への需要は根強い

相対的に高い利回りが魅力

 

■社債スプレッド(国債と社債の利回り格差)は、投資適格債、ハイイールド債とも、小幅に拡大しました。

■米連邦準備制度理事会(FRB)は金融緩和の解除を進めていますが、物価の落ち着き等から、解除のペースは緩やかなものにとどめています。こうしたなか、相対的に利回りの高い社債への需要には根強いものがあります。参考までに直近の利回りは、投資適格債が約3.1%、ハイイールド債が約5.7%、米国債利回り(ブルームバーグ・バークレイズ指数の残存期間7-10年)が約2.1%でした。

 

 

 

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【今後の展開】今後も堅調な推移が見込まれる

 

■FRBは、今秋にバランスシートの縮小(FRBが保有する国債等の債券売却)を発表、来年春頃には利上げに踏み切ると予想されますが、インフレの抑制された環境が続くこと等を踏まえると、長期金利は当面レンジ内で推移すると考えられます。

■こうした環境下では、相対的に利回りや安全性が高い投資適格債への資金流入は継続すると予想されます。一方、ハイイールド債については、原油価格下落を受けたエネルギーセクターの利回り上昇は一巡するものの、北朝鮮問題等の地政学リスクが引き続き意識される展開となりそうです。

 

 

 

 

(2017年 8月30日)

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