『健康寿命』と「平均寿命」の重要な差

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政府は6月に新たな成長戦略「未来投資戦略2017」を公表しました。この成長戦略では、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や人工知能(AI)の活用で快適な社会をつくる構想の実現を目指し、5つの戦略的分野に政策資源を集中投資する方針が示されました。その戦略的分野の1つが『健康寿命』を延ばすことです。政府が力を入れて取り組む、日本人の『健康寿命』はどうなっているのでしょうか?

【ポイント1】『健康寿命』は男性71歳、女性74歳

「健康ではない期間」は男性9年、女性12年

 

■厚生労働省によれば、『健康寿命』は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。2013年の『健康寿命』は、男性が71.19歳、女性が74.21歳となっています。一方、2013年の「平均寿命」は男性が80.21歳、女性が86.61歳でした。

■この『健康寿命』と「平均寿命」の差は、日常生活に制限のある「健康ではない期間」を意味します。2013年における「健康ではない期間」は、男性が9.02年、女性が12.40年と計算されます。

 

 

【ポイント2】国は『健康寿命』の延び後押し

「健康ではない期間」を縮める狙い

 

■厚生労働省によれば、「平均寿命」の延びに伴って『健康寿命』も延びていますが、その差である「健康ではない期間」はあまり縮まっていません。2010年と2013年を比較すると、男性が0.11年、女性が0.28年短縮したにとど
まっています。

■政府は成長戦略の柱の1つとして、『健康寿命』の延伸を掲げました。『健康寿命』 を延ばし、「健康ではない期間」を短縮することが出来れば、個人が長く生活の質を維持することが可能になると共に、医療費や介護費用が抑制され、社会保障費も軽減されるためです。

 

 

 

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【今後の展開】生活習慣の改善と共に早めに老後資金への備えを

 

■昨今の健康ブームが示すように、老若男女を問わず健康への意識が高まっているなか、政府の後押しもあり、『健康寿命』は延びることが期待されます。一方、その後に控える「健康ではない期間」には医療費や介護費用がかさみ、経済的な負担が大きくなりますが、生命保険文化センターによれば、自助努力による老後資金への備えは十分とは言えないようです。1日でも『健康寿命』が延びるように、食事や運動をはじめ生活習慣の改善に努めると共に、老後資金づくりには1日でも早く取り組みたいものです。

 

 

(2017年 8月 25日)

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