ECB議事要旨とユーロの動向 ECBのユーロ高警戒からユーロの上昇速度鈍化も

ECB議事要旨とユーロの動向 ECBのユーロ高警戒からユーロの上昇速度鈍化も

 

【ポイント1】ECB議事要旨の公表

ユーロ高への懸念が明らかに

 

■欧州中央銀行(ECB)は17日、7月20日の理事会の議事要旨を公表しました。それによると、理事会メンバーは、最近のユーロ高について、基本的にはユーロ圏の景気改善を反映したものと評価するものの、将来のリスクとしてユーロ高が行き過ぎる懸念を示していたことが明らかになりました。

■ECBは、ユーロ圏の景気は堅調だが、インフレ率は依然として弱めであり、大規模な金融緩和が必要と繰り返し表明しています。今後の金融政策については、秋に現在の量的金融緩和の資産購入策の見直しを検討するという表現にとどめています。

 

 

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【ポイント2】秋に量的緩和縮小発表へ

10月に後ずれする可能性も

 

■ECBは、6月以降のユーロの上昇ペースが速いため、9月のECB理事会での物価見通しについて小幅ながら下方修正する可能性が高いと考えられます。

■こうしたなか、ECBは量的金融緩和縮小のアナウンスのタイミングを9月よりも10月の理事会に遅らせて、時間を稼ぐ可能性があります。

 

 

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【今後の展開】ECBのユーロ高警戒からユーロの上昇速度鈍化も

 

■ECB理事会の議事要旨を受けて、17日の為替市場では、ユーロが主要通貨に対して下落しました。ECBの量的金融緩和の縮小時期が後ずれするとの観測が高まったことが背景です。

■6月下旬にドラギECB総裁が金融の量的緩和からの出口を示唆して以降、ドイツなどの国債の利回りが上昇し、ユーロ高が加速していましたが、ECB議事要旨でユーロ高警戒姿勢が確認されたことで上昇一服となる可能性があります。ただし、ユーロ圏の堅調な景気に加え、量的緩和縮小の方向性は変わらないため、上昇速度が鈍化してもユーロは底堅く推移すると思われます。

 

(2017年 8月18日)

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