『FOMC議事要旨』金融市場の動向にも配慮

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7月25~26日に開催された『米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨』が、8月16日に公表されました。今回の議事要旨では、金融政策の決定に当たって、物価上昇率のみならず、金融市場の動向にも考慮することが明示されました。これらを踏まえ、FOMCでは、政策金利の据え置きを決定したほか、米連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシート縮小を早期に開始する可能性を示唆しました。

【ポイント1】物価の下振れリスクへの警戒感が強まる

物価と同様、金融市場の動向にも注視

 

■『FOMC議事要旨』によれば、景気、労働市場の見通しに大きな変化はなく、インフレ率については、「中期的にFOMCの目標値である+2%近傍で落ち着く」との見方で概ね一致しました。

■ただし、多くの参加者が現時点での想定より長い期間、目標の+2%を下回る可能性を指摘、そのうち幾人かが物価見通しに対するリスクは下振れと述べました。

■物価と同様に、今回の議事要旨で重視されたのが金融環境です。参加者が言及したのは、長期金利の低下であり、それが過剰にリスクをとることを助長しているとの認識が参加者の間で共有されているようです。

■議事要旨が「今後の利上げの速度は金融環境がどのようになっていくかにもよる」と述べていることを踏まえると、FRBは追加利上げの速度と時期について、物価のみならず金融市場の動向にも配慮していくと見られます。

 

 

【ポイント2】バランスシートの縮小は早期に開始することを公表するのが適切

次回9月以降のFOMCで開始時期を公表

 

■一方、FRBのバランスシート縮小については、比較的早期に開始することを公表するのが適切との見方で一致しました。

■数名の委員は、今回7月の会合で開始時期を公表すべきと主張しましたが、大半は次回9月会合まで待つのが望ましいとしました。金融市場に影響を及ぼす可能性のある追加的な経済やインフレの見通しを評価する時間的な余裕が拡がるた
めです。

 

 

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【今後の展開】金融政策の正常化のペースは緩やかとなる見通し

 

■8月16日の米国市場では、物価の下振れに対する警戒感を強めた今回のFOMC議事録の内容がハト派的と評価されたことなどから、米ドルは主要通貨に対して下落、米国債利回りは低下(債券価格は上昇)しました。

■米国では景気拡大、物価の低位安定が続くと予想されます。利上げは継続され、FRBが保有する国債等の資産縮小も間もなく始まると予想されますが、いずれも慎重に進められるため、景気や金融市場への影響は大きくないと見られます。

 

(2017年 8月 18日)

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