『オフィスビル空室率』は7月は小幅な低下
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『オフィスビル空室率』、平均賃料は、オフィスビル仲介大手の三鬼商事が、毎月中旬頃にホームページに公表しています。2012年には9%台であった空室率は3%台まで低下し、平均賃料は上昇基調となりました。ただ3%台と極めて良好な空室率にもかかわらず、平均賃料は緩やかな上昇にとどまっています。今後の空室率と平均賃料の動向が注目されます。 |
【ポイント1】7月の都心5区の空室率は3.22%
竣工1年未満のビル・既存ビルでの成約が全体の低下に寄与
■8月10日に発表された三鬼商事の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の7月の『オフィスビル空室率』は、前月比▲0.04ポイントの3.22%となりました。空室率は、5月に小幅上昇しましたが、6、7月と連続で低下しました。都心5区の中でも、新宿区は1.68%、渋谷区は2.17%と極めて良好な水準です。
■7月は、大型解約があったものの、竣工1年未満のビルや既存ビルに成約が見られたため、全体の空室率の低下に繋がりました。
【ポイント2】平均賃料は43カ月連続の上昇
緩やかな賃料上昇が続く
■7月の都心5区の平均賃料は、坪当たり18,916円でした。前年同月比+3.53%、前月比+0.28%となりました。7月で43カ月連続の上昇となります。
■新築ビルの7月の平均賃料は前月比では変わらずとなりましたが、前年同月比では▲3.39%と大幅下落となりました。新築ビルの『オフィスビル空室率』は、昨年10月以降上昇傾向にあり、7月は前月比で▲2.69%低下しましたが、25.49%と依然高水準にあり、賃料上昇の抑制要因となっていると考えられます。
■既存ビルの平均賃料は前年同月比では+3.79%、前月比+0.27%となり、緩やかながら賃料の上昇が続いています。
【今後の展開】当面、現在の『オフィスビル空室率』の低水準が続く見込み
■当面空室率は、2017年内には供給される大型ビルの数も限定的であるため、現在の低水準で推移すると見込まれます。一方で、7月は2018年に完成する新規ビルへの移転による解約が出始めています。2018年以降の新築ビルの供給が増加することによる空室率への影響には注視していく必要があると見られます。
■ただ日本では金融緩和政策が続き、長期金利が低水準で推移すると見られ、また企業の根強いオフィスビルへの需要が空室率の下支え要因になると考えられます。
(2017年 8月 15日)
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