最近の指標から見る中国経済(2017年8月) 底堅い景気を背景に中国株、人民元はしっかり

最近の指標から見る中国経済(2017年8月) 底堅い景気を背景に中国株、人民元はしっかり

 

【ポイント1】固定資産投資の伸び鈍化

不動産開発投資等が減速

 

■中国国家統計局は14日、主要経済指標を発表しました。1~7月の固定資産投資は前年同期比+8.3%と、1~6月(同+8.6%)から伸び率が鈍化しました。不動産開発投資の減速などが要因です。

■不動産開発投資(1~7月)は同+7.9%となり、1~6月(同+8.5%)から伸び率が鈍化しました。引き締め気味の金融政策の効果が出ていると考えられます。

 

 

 

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【ポイント2】生産や小売の伸び鈍化

総じて緩やかな減速の動き

 

■7月の鉱工業生産は前年同月比+6.4%と、6月(同+7.6%)から伸び率が減速しました。また、7月の小売売上高も前年同月比+10.4%と、6月(同+11.0%)から減速しました。

■14日発表された主要経済指標は、いずれも市場予想を下回り、総じて減速の動きが示されました。中国景気は年後半にかけ緩やかに鈍化するものの、政府目標(6.5%程度)を上回ると見られます。

 

 

 

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【今後の展開】底堅い景気を背景に中国株や人民元はしっかり

 

■中国の代表的な株価指数の上海総合指数は8月初に年初来高値を更新しましたが、その後利益確定売りや地政学リスクを嫌気した売りに押されて反落しました。ただ、引き続き景気が底堅いことに加え、米MSCIが新興国株指数への組み入れを決めたことで国内外の投資資金を呼び込む流れは続く見込みで、中国株式市場は堅調さを取り戻すと見られます。為替市場では、人民元の対米ドル相場が上昇し、約1年ぶりの高値を付けました。主要通貨に対するドル安の進行や海外への資本流出懸念の一服が対ドルでの人民元高につながっており、当面しっかりとした動きが見込まれます。

 

(2017年 8月14日)

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