インドが政策金利を引き下げ、7年ぶりの低水準 インド株式は最高値圏、通貨も堅調

インドが政策金利を引き下げ、7年ぶりの低水準 インド株式は最高値圏、通貨も堅調

 

【ポイント1】政策金利を0.25%引き下げ

7年ぶりの低水準に

 

■インド準備銀行(中央銀行、以下RBI)は8月2日の金融政策委員会で、政策金利(レポ金利)を0.25%引き下げ、6.00%にすることを決定しました。利下げは10カ月ぶりで、政策金利は2010年秋以来、約7年ぶりの低水準となりました。

■RBIの利下げは概ね市場の予想通りでした。

 

 

20170803as1

 

 

 

【ポイント2】インフレリスク後退が背景

金融政策スタンスは中立維持

 

■6月の消費者物価上昇率は前年同月比+1.5%と、食品価格の下落などから下振れました。RBIは声明で、「インフレの上振れリスクの一部は縮小したか、または顕在化しなかった。」と述べ、「この結果、いくらかの金融緩和余地が生じた」と利下げの理由を説明しました。

■ただし、RBIはインフレ見通しについては据え置きました。インフレ率は年度前半が2.0~3.5%、公務員給与引き上げなどの影響から年度後半は3.5~4.5%と、加速するとみています。

■このため、RBIは今後のインフレの動向を見極める必要があるとし、金融政策スタンスについては中立姿勢を維持しました。

 

20170803as2

 

 

 

 

【今後の展開】良好な投資環境を背景に、インド市場は堅調推移

 

■RBIによる利下げを受けて、2日のインド株式市場は利食い売りから前日比小幅下落しました。ただし、主要株価指数のSENSEXは過去最高値圏にあります。通貨インドルピーは1ドル=63.70ルピーと年初来高値を更新し、約2年ぶりの水準に上昇しました。

■良好な経済、インフレ環境やRBIの柔軟な金融政策に加え、7月導入の物品・サービス税(GST)など経済改革も着実に進んでいることから、今後もインド市場は堅調地合いを維持しそうです。

 

(2017年 8月3日)

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー インドが政策金利を引き下げ、7年ぶりの低水準 インド株式は最高値圏、通貨も堅調

 

関連マーケットレポート

2017年7月26日 インドの経済と為替動向
2017年7月21日 インドで始まった『GST』は順調な船出

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会