ブラジルの金融政策(2017年7月)前回同様1.00%利下げ、今後も利下げが続く
ブラジルの金融政策(2017年7月)前回同様1.00%利下げ、今後も利下げが続く
【ポイント1】政策金利を1.00%引き下げ
7会合連続の利下げ
■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、7月26日の通貨政策委員会で、政策金利を1.00%引き下げて、9.25%とすることを全会一致で決定しました。前回に続く1.00%の利下げは市場予想(ブルームバーグ集計)の通りでした。利下げは7会合連続で、昨年10月以降の利下げ幅は累計で5.00%となりました。
【ポイント2】利下げが続く見込み
インフレの鎮静化傾向が続く
■中銀は声明文で、経済の不透明要因が増えているにも拘らず影響は限られたため、前回と同じペースの利下げを実施したと説明しました。
■最近の物価動向は好ましいと評価しています。6月の消費者物価は前年同月比で+3.0%と一段と鈍化し、インフレの沈静化傾向が続いています。
■中銀は物価の予想調査などに基づき、2017年は前年比+3.6%、2018年は同+4.3%と、中銀の物価目標レンジ(同+4.5%±1.5%)に収まると想定しています。また、次回の会合でも同じペースで利下げを行う可能性があると表明しました。
【今後の展開】レアルはレンジ内の動き
■通貨レアルは、2016年5月のテメル政権誕生以来、経済・財政改革やインフレ率低下が進むなか、堅調に推移してきました。しかし、今年5月にテメル大統領に汚職隠ぺい疑惑が浮上し、政治の混乱や財政改革の遅れを嫌気した売りから調整しました。その後テメル大統領の辞任・弾劾の可能性が後退し、レアルは落ち着きを取り戻しつつあります。政治リスクに上値を抑えられるものの、中銀の指摘通り、ブラジル経済は改善基調にあるため、レアルは当面レンジ内での動きとなりそうです。
(2017年 7月27日)
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