インドの経済と為替動向 好調な経済を背景に、インドルピーは堅調推移

インドの経済と為替動向 好調な経済を背景に、インドルピーは堅調推移

 

【ポイント1】17年に入りインドルピーは堅調

足元は15年8月以来の高水準

 

■17年に入り、通貨インドルピーはインドの株式市場と共に上昇しました。2月には米金利上昇観測の後退から底入れしました。更に、3月のインド地方選挙でモディ首相の与党、インド人民党(BJP)が圧勝し、経済改革の期待が高まったことで、海外投資家からの資金が流入したことが背景です。

■足元のインドルピーは米ドルに対し、15年8月以来の高値水準で推移しています。

 

 

20170726as1

 

 

 

【ポイント2】消費者物価は過去最低水準

金融政策は当面据え置きか

 

■インドの17年6月の消費者物価指数は前年同月比+1.5%と、過去最低水準となりました。約4割のウェイトを占める食品のデフレが強まったことが主因です。

■足元のインフレがインド準備銀行(中央銀行、以下RBI)の物価目標(+4%)を大きく下回っているため、市場では利下げ観測が台頭しています。

■しかし、7月以降は食品価格などが前年比でインフレを押し上げる方向に転じる見込みであり、RBIは中長期の物価見通しを重視する姿勢を示していることから、当面金融政策を据え置くと見られます。

 

 

 

20170726as2

 

 

 

【今後の展開】好調な経済を背景に、インドルピーは堅調推移

 

■国際通貨基金(IMF)によれば、インドの経済見通しは17年が+7.2%、18年が+7.7%と、高成長が予想されています。今年7月には長年の課題であった物品・サービス税(GST)が導入されました。税体系・制度の簡素化による経済の効率化や課税ベース拡大を通じた税収増が見込まれ、経済にプラスの影響が期待されます。好調な経済に加え、RBIが金融環境を適切に調整することにより、今後もインドルピーは堅調を維持しそうです。

 

(2017年 7月26日)

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー インドの経済と為替動向 好調な経済を背景に、インドルピーは堅調推移

 

関連マーケットレポート

2017年7月25日 IMF世界経済見通し
2017年7月21日 インドで始まった『GST』は順調な船出

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会