2極化しつつ上昇が続く『中国の住宅価格』

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中国国家統計局が7月18日に発表した「主要70都市新築住宅価格動向」によると、『中国の住宅価格』は全体では上昇が続いているものの、大都市を中心に減速感が見られ始めました。主要70都市のうち、前月比で住宅価格が値上がりした都市が60都市に増加する一方、一部の大都市の値下がりで全体の住宅価格指数の伸び率が鈍化しています。 『中国の住宅価格』は、大都市と地方の小都市で2極化しているようです。

【ポイント1】6月は価格上昇都市が60に増加

値上がり都市の増加は3カ月ぶり

 

■17年6月の「主要70都市新築住宅価格動向」によると、主要70都市のうち、前月比で価格が上昇したのは60都市と、5月の56都市から4つ増加しました。価格が値上がりした都市数が増加するのは3カ月ぶりです。

■一方、価格が下落したのは5月から3つ減って、6都市でした。横ばいは4都市と、1つ減りました。

 

 

【ポイント2】全体では伸び鈍化

北京や上海は前月比下落

 

■当社の分析によれば、主要70都市の新築住宅価格を1人当たり所得で加重平均すると、全体で6月は前月比+0.52%(年率換算+6.5%)と、5月の同+0.59%(年率換算+7.3%)からやや減速しました。

■都市別にみると、北京(前月比▲0.4%)や上海(同▲0.2%)の価格が下落するなど、大都市では落ち着きつつある一方、地方都市ではいくつかで前月比が+2%を超えるなど、価格はなお上向きです。

 

 

 

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【今後の展開】住宅価格は伸び鈍化も緩やかな上昇が続く

 

■『中国の住宅価格』は全体として緩やかな上昇が続いているものの、大都市を中心に価格上昇が落ち着きつつあります。住宅市場の過熱を抑えるために導入した住宅販売抑制策や人民銀行が今年に入り金融政策を引き締め気味に運営している効果が出ていると考えられます。一方、経済が政府想定よりもやや上振れて推移するなか、不動産投資への根強い需要が一部の地方都市に向かっている可能性があります。

■中国政府は住宅市場のバブル抑制に注力する一方で過度な価格調整には慎重であると見られるため、『中国の住宅価格』は上昇ペースが鈍化するものの、今後も緩やかな上昇基調が続くと思われます。

 

(2017年 7月 20日)

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