日本の『景気拡張』、戦後2番目が視野に

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内閣府が6月15日に開いた「景気動向指数研究会」において、日本の景気は2012年12月から拡張局面が続いていることが確認されました。5月で、「バブル景気」の51カ月を上回る54カ月となり、戦後3番目の長さです。さらに、今年の9月まで『景気拡張』が続くと、「いざなぎ景気」の57カ月を抜き、戦後2番目の長さになります。日本の好景気を支える要因と、今後の見通しについて考えてみたいと思います。

【ポイント1】「バブル景気」を抜き単独3番目の長さに

消費増税や中国経済の減速を乗り越え54カ月『景気拡張』続く

 

■「景気動向指数研究会」は6月15日に開いた研究会で、2012年12月から始まった景気の回復が現在まで続いている可能性が高いという見方で一致しました。これにより、「バブル景気」の51カ月を抜いて54カ月となり、戦後3番目の長さとなる『景気拡張』が続いていることが確認されました。

■2014年4月の消費税率引き上げや中国の景気減速などにより、景気動向を示す指数が落ち込んだ時期はありましたが、景気が後退していたとまではいえないとの判断に至りました。

 

 

【ポイント2】円安による企業収益増が景気をサポート

賃金の伸びは限定的

 

■この『景気拡張』をもたらしているのが、2012年12月に始まった「アベノミクス」です。経済政策の3本の矢のうち、第1の矢である大規模な金融緩和策により円安・株高となり、企業収益が増加しました。また、第2の矢である機動的な財政出動も『景気拡張』を支えています。

■一方、雇用環境が改善している状況下でも、賃金の伸びが抑えられていることから、景気の回復を実感しにくいものとなっています。

 

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【今後の展開】賃金の回復がカギに

 

■足元の景気は、米国の景気拡大や中国の安定成長にけん引され、企業収益も過去最高を更新するなど堅調となっています。また、為替水準が足元の水準で推移すると、今年度も2ケタの増益になると見込まれます。

■完全失業率は、5月分は3.1%に上昇しましたが、2~4月分は2.8%と1994年6月分以来の水準まで低下しています。人手不足による賃金の上昇圧力から賃金が回復し、個人消費が上向くことにより、息の長い景気拡張が今後も続けば、「いざなぎ景気」を超える『景気拡張』となりそうです。

 

(2017年 7月 19日)

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