主要アジア株式市場の見通し 業績回復を支えに上昇基調が続こう

主要アジア株式市場の見通し 業績回復を支えに上昇基調が続こう

 

【ポイント1】年前半は堅調に推移

 

■アジア株式市場を代表する指数の1つであるMSCIアジア(除く日本)(円ベース)は、3月下旬から4月中旬にかけての一時的な調整を除いて、堅調な推移が続いています。足元では年初来高値を更新しています。

■3月下旬から4月にかけて調整色が強まったのは、北朝鮮のミサイル発射や米軍によるシリア攻撃といった地政学リスク、仏大統領選挙の不透明感の強まりなどからリスクを回避しようとする動きが広がったためでした。リスク回避の「円高・米ドル安」が進んだことが円ベースで見た株価指数の調整要因でした。

■この間、同指数を米ドルベースで見ると、4月中旬にかけての調整は円ベースほど大きなものではなく、その後は年初来高値を更新し続ける展開でした。

 

 

 

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【ポイント2】企業業績の大幅な改善期待が下支え

 

■アジア株式市場が堅調に推移している要因として、企業業績の大幅な改善と今後の利益成長の継続に対する期待を指摘することができます。1株当たり予想利益(MSCIベース、以下同様)の前年比の伸び率は2015年の▲12.9%を底に、2016年に同+0.08%とプラスに転換し、2017年には同+19.6%と大幅な増益が予想されています。これは、米国企業の増益予想(同+10.8%)を上回るものです。

■国別では、さらに堅調な国が存在します。2017年以降3年連続で前年比2桁の増益が予想されている国は、中国、インド、インドネシアです。フィリピンは2017年は1桁の増益予想ですが、2018年以降は2桁の増益が見込まれ、利益成長が加速する見通しです。景気の回復基調がはっきりと確認できる国・地域で企業業績も改善しています。

 

 

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【今後の展開】業績サイクルはようやく回復に向かい始めた段階

 

■アジア株式市場は、堅調な推移が期待できそうです。世界的な景気回復に加え、在庫調整の進展や景気対策により中国の景気が持ち直しており、順調な企業利益の成長が期待できると考えられるためです。

■また、業績サイクル的には、落ち込んだ業績がようやく回復に向かい始めた段階であり、更なる増益が期待されます。

■2019年は現在のコンセンサス予想では+10.0%の増益が見込まれています。

 

 

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(2017年 7月13日)

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