『FOMC議事要旨』金融政策の正常化は緩やか

<今日のキーワード>『路線価』が上昇、好調経済と訪日客が寄与

6月に行われた『米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨』が、現地7月5日に公表されました。6月のFOMCでは、0.25%の利上げに加え、米連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシート縮小の進め方が示されました。これらにより金融政策の正常化が進められます。『FOMC議事要旨』から今回の議論をチェックしてみましょう。

【ポイント1】今回会合で利上げを実施するのが妥当

景気回復に力強さ、インフレ率の下振れは一時的なものと判断

 

■今回、公表された『FOMC議事要旨』によれば、景気は個人消費と設備投資の回復により力強さを増してきたとの見方でほぼ一致しました。

■5月のインフレ率は下振れしましたが(個人消費支出コア物価上昇率は、FOMCの目標である+2%を下回る前年同月比+1.4%)、携帯電話サービスや処方薬の価格下落などによる一時的なもので、その影響が一巡するにつれてインフレ率は目標に向かって上昇すると判断しました。

■以上の景気、物価の評価に基づき、0.25%の利上げを行なうのが適切との見方で概ね一致しました。

 

【ポイント2】FRBのバランスシート縮小の開始時期については意見が分かれる

数カ月以内に開始すべきか、年内のより遅い時期にすべきか

 

■一方、FRBのバランスシート縮小、すなわち保有する債券の償還金の再投資を止めることにより、約4.5兆ドルまで膨らんだFRBの資産を圧縮する政策については、開始する時期をめぐって意見が分かれました。

■複数の参加者が数カ月以内に開始を公表することが望ましいとする一方、年内のより遅い時期に決定すべきと主張する参加者も数名いました。開始の決定を遅らせることにより、経済やインフレの見通しを評価する時間的な余裕が拡がるためです。

 

 

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【今後の展開】金融政策の正常化は緩やかとなる見通し

 

■7月5日の米国市場では、バランスシート縮小が議論されたことから景気に対するFRBの見方は前向きと評価され、S&P500種指数が小幅に上昇しました。米国債利回りは、低下しました。利上げなどのペースが緩やかと見なされたためです。

■米国では景気拡大、物価の低位安定が続くと予想されます。利上げが継続され、FRB保有資産の縮小が始まると見られますが、いずれも慎重に進められるため、景気や金融市場への影響は大きくないと見られます。

 

(2017年 7月 7日)

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