日本企業は景気に強気!?『短観』

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『短観』とは、日銀が金融政策運営の参考にするため、3カ月ごとに約1万社の企業に行う「全国企業短期経済観測調査」のことです。市場では大企業・製造業の現状の景況感(業況判断DI)と3カ月先の景況感(先行きDI)が最も注目されます。日銀が3日に発表した6月の『短観』では、現状の景況感が幅広く改善していることが示されました。

【ポイント1】大企業・製造業の景況感は3期連続改善

景気回復の広がりが示される

 

■6月の『短観』は、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が前回の3月調査から5ポイント上昇の17となり、3四半期連続で改善しました。大企業・非製造業の同DIも23と、前回から3ポイント改善しました。また、中堅、中小企業についても上昇するなど、製造業・非製造業、企業規模を問わず改善しました。外需だけでなく、内需にも回復傾向が見られ、景気回復の広がりが示されました。

 

【ポイント2】幅広い業種で改善

17年度想定為替レートは108.31円

 

■業種別に見ると、製造業では、素材業種、加工業種ともに、改善が目立ちました。米国景気の拡大や中国景気の安定成長が続くなか、幅広い業種が上昇しました。非製造業についても、改善する業種が多く見られました。企業規模によりばらつきがありますが、小売りなど個人消費関連の業種は比較的堅調と見られます。

■大企業・製造業の17年度の想定為替レートは、1ドル=108.31円と、前回とほぼ同水準でした。

■設備投資計画は、大企業・全産業ベースで前年比+8.0%(3月調査+0.6%)と、堅調でした。

 

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【今後の展開】景気拡大と増益基調が株価を下支え

 

■『短観』発表後の株式市場は、前日比ほぼ変わらずで引けました。2日の東京都議選で自民党が大敗し、安倍政権の先行き不透明感を嫌気する売りが優勢となることが警戒されましたが、『短観』の景況感が改善したことが株式市場のサポート材料となったと見られます。大企業・製造業の17年度の想定為替レートが1ドル=108.31円であることから、足元の為替水準が続けば、企業収益の押し上げにつながる可能性もあり、今後も景気拡大の持続と企業収益の増益基調が株式市場を支えそうです。

 

(2017年 7月 4日)

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