AIを支える『半導体製造装置』の今後は?

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『半導体製造装置』は需要好調から高水準の受注が続いています。受注の好調を受けて『半導体製造装置』関連株の株価も堅調に推移しています。今回は半導体の用途がスマホの高機能化に加え、自動車、医療機器、AI(人工知能)にも拡大しており、受注の好調さが長期化し、それに伴い株価のサイクルも長期化する可能性があります。

【ポイント1】半導体製造装置の受注は高水準

受注、業績ともに好調

 

■半導体メモリ-の需要好調から『半導体製造装置』は高水準の受注が続いています。

■受注の好調を受けて、2017年3月期決算でも営業利益が会社計画を上回る企業が多くみられ、 『半導体製造装置』 関連株の株価も堅調に推移しています。

 

【ポイント2】受注変動は過大投資が要因

業種特性も影響

 

■半導体メモリ-は電源を切った後もデ-タを保存できる”NAND型フラッシュメモリ-”と作業中のデ-タなどを一時的に保存する”DRAM”が代表的です。半導体業界は技術の進歩が速いため、設備投資、在庫投資のタイミングの調整が難しく、3~4年周期で循環を繰り返してきました。

■『半導体製造装置』 関連の株価も循環性が高く、需給の状況を図る尺度である”BBレシオ”(販売額に対する受注額の割合)などを目安に、受注の底入れ時に組入れ、ピーク前に売却すると投資効率が高い景気循環株の側面が強いという特性がありました。

 

 

 

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【今後の展開】受注ピークは後ずれの可能性

 

■日本の2017年1-3月の受注額は5,441億円と2007年 1-3月に次ぐ高水準となりました。BBレシオも3月は 1.12と、好不調の目安となる1は上回っています。受 注は高水準が続いていますが、ピークが近いとの見方から、 『半導体製造装置』関連株の株価に対して警戒感が強まっています。

■想定を上回る受注の背景には、スマホなどの高機能化、自動車や医療機器などAIへの用途の拡大、モノがネットにつながり情報量が拡大、中国が国策として半導体への投資を拡大していること、などがあります。半導体の循環性はなくならないものの、従前に比べて受注の好調さが長期化し、それに伴い株価のサイクルも長期化する可能性があります。

 

 

(2017年 6月 22日)

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