『中国の住宅価格』上昇は続くのか?

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6月19日発表の「主要70都市新築住宅価格動向」によると、『中国の住宅価格』は緩やかな上昇が続いているものの、減速感が見られ始めました。経済が政府想定よりもやや上振れて推移するなか、住宅への需要が根強い一方、地方政府が住宅市場の過熱を抑えるために住宅販売抑制策を導入した効果が出ている可能性があります。 中国の住宅市場はバブルではないのかとの見方もありますが、果たして?

【ポイント1】5月は価格上昇都市が56に減少

価格が下落した都市は1つ増えて9都市に

 

■17年5月の「主要70都市新築住宅価格動向」によると、主要70都市のうち、前月比で価格が上昇したのは56都市と、4月の58都市から2つ減少しました。一方、価格が下落したのは4月から1つ増えて、9都市でした。横ばいは5都市と、4月から1つ増えました。

 

【ポイント2】価格伸び率は7.3%増

一時の過熱感はない

 

■主要70都市の新築住宅価格を1人当たり所得で加重平均すると、5月は前月比+0.59%(年率換算+7.3%)と、『中国の住宅価格』は依然として上向きで推移しています。

■ただ、大都市では、北京や上海などは前月比横ばい、深センは下落するなど落ち着いてきています。

■これらのデータから見る限り、 『中国の住宅価格』は上昇基調が続いていますが、以前ほど過熱している訳ではなさそうです。

 

 

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【今後の展開】バブル崩壊に至らず、緩やかな上昇が続く

 

■中国の住宅市場はバブルではないかとの指摘が根強くあります。その根拠は、北京や上海と言った大都市の住宅価格が、一人あたり年収を大きく上回っていると言ったものです。ただし、中国では共働きが多く、夫婦の両親が積極的な金銭支援を行うことも一般的です。従って、日本で用いられる年収と住宅価格の関係をそのまま中国に当てはめることは出来ないと思われます。また、GDP対比の住宅ローン残高も十分低い水準です。

■人々の生活水準の向上によって、大都市の住宅需要はますます高まると見られます。中国政府が住宅市場のバブル抑制に注力するなか、『中国の住宅価格』は上昇ペースが鈍化するものの、緩やかな上昇基調が続きそうです。

 

 

(2017年 6月 21日)

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