『フランス下院選挙』、マクロン新党が勝利

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6月18日に行われた『フランス国民議会(下院)選挙』の決選投票で、先日選出されたばかりのマクロン大統領が率いる新党「共和国前進」が過半数を押さえる勝利をあげました。1年前には全くと言っていいほど注目されていなかったマクロン氏とその新政党が巻き起こす風は、揺らぐ欧州を結束させる可能性を秘めているとの論調もあります。今回は、『フランス下院選挙』と今後の欧州について焦点を当てます。

【ポイント1】マクロン新党が単独過半数を確保

「共和国前進」グループで6割を占める

 

■『フランス下院選挙』の2回目投票は18日行われ、即日開票されました。仏内務省によると、全577議席のうち、マクロン大統領の新党「共和国前進」が308議席を獲得して単独過半数を確保し、選挙協力している政党と合わせ、グループで全議席の約6割に当たる350議席を獲得しました。社会党や共和党など既存政党は軒並み議席を減らし、これまでの政治手法等は見切りをつけられた形です。ただ、投票率は42.6%と第5共和制の下で過去最低となり、幅広い有権者の支持を得たとは言えません。

 

【ポイント2】マクロン氏が政治基盤を固める

EU統合強化や経済改革を期待

 

■5月に就任したマクロン大統領は、下院選挙を経て政治基盤を固め、公約に掲げた欧州連合(EU)統合強化や経済改革などの実現へ足場を築くことが出来ました。

■マクロン大統領が目指す政策は、企業寄りと言われています。例えば、労働市場の柔軟性向上、年金制度改革等です。議会で過半数を得たことで、マクロン大統領は思い切った改革が可能となり、フランスがより強くなることが期待できます。

 

 

 

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【今後の展開】株式、為替市場は政治リスク後退を好感しよう

 

■フランスで安定政権が誕生したことで、次に注目されるのが、9月に議会選挙が行われるドイツです。現在の市場での見通し通り、メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU)が勝利し、メルケル政権が継続すれば、今後経済的な繁栄が期待できる強固なユーロ圏の確立を目指して、独仏が協力してEUを主導していくと期待されます。このところ、米欧を席巻した大衆迎合主義(ポピュリズム)の勢いは弱まり、欧州の政治リスクは大きく後退することになります。

■フランス大統領選挙でのマクロン氏の勝利以降、欧州の株式市場や通貨ユーロは堅調地合いを維持しています。ユーロ圏の足元の堅調な経済と合わせ、政治の安定は世界的な資金を惹きつける可能性があり、今後のユーロ圏への資金流入と金融資産の価格上昇が期待されます。

 

 

(2017年 6月 20日)

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