日銀の金融政策(2017年6月)金融政策は据え置き、日米金利差の拡大は円安要因
日銀の金融政策(2017年6月)金融政策は据え置き、日米金利差の拡大は円安要因
【ポイント1】金融政策は現状維持
市場の予想通り
■日銀は16日、市場の予想通り、金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定しました。短期の政策金利を▲0.1%、長期金利である10年物国債利回りをゼロ%程度に操作する金融調節を維持します。また、長期国債を買い増すペースも年約80兆円を目途とすることを据え置きました。
【ポイント2】景気判断は概ね前回通り
4月の物価は4カ月連続上昇
■日銀は、国内の景気判断を据え置き、先行きの経済については、緩やかな拡大に転じていくとの見方を維持しました。個人消費については、底堅さを増していると表現を強めました。また物価については、日銀が目標とする2%に向けて上昇率が高まるとの見方も維持しました。
■4月の消費者物価指数(除く生鮮食品)は、前年同月比+0.3%と4カ月連続で上昇しました。
【今後の展開】金利差拡大は円安要因
■今回の金融政策の据え置きは市場予想通りで、金融市場では大きな反応はありませんでした。一方、14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが実施され、バランスシ-トの正常化も詳細に示されました。今後、米国の景気が堅調に推移すれば、年内にあと1回の利上げと連邦準備制度理事会(FRB)の資産の縮小が予定通り実施され、日米金利差の拡大により米ドル高・円安要因となりそうです。円安傾向となれば、輸出企業を中心に企業収益が上向くなど、日本経済にとって良好な環境となることが期待されます。
(2017年 6月16日)
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