「G7首脳会議」(タオルミナ・サミット)

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「G7首脳会議」は、主要先進国の首脳が集まって、金融や世界経済に関して現状認識を共有化し、将来に向けた取り組みについて確認する会合です。G7とは、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国の7カ国のことです。今回は5月26~27日の日程で、イタリア・シチリア島のタオルミナで開催されました。フランス、イタリア、英国、米国の首脳4人が新顔で、特に“米国第一”を主張する米国の姿勢に注目が集まりました。

【ポイント1】貿易問題は「保護主義と闘う」で決着

「不公正な貿易慣行に断固たる立場をとる」との表現も併記

 

■「G7首脳会議」(タオルミナ・サミット)は27日、首脳宣言を採択して閉幕しました。首脳宣言は、焦点の貿易問題について「保護主義と闘う」の表現が盛り込まれる一方、 「不公正な貿易慣行に断固たる立場をとる」との米国の主張も盛られました。従来の首脳宣言では保護主義に反対する表現が毎年明記されており、米国は当初これに難色を示しましたが、米国にも配慮する表現を入れることで決着した模様です。

 

【ポイント2】パリ協定は米国抜き

北朝鮮問題は共有

 

■気候変動問題では、日欧が地球温暖化対策の国際枠組みである“パリ協定”に残留するよう米国に迫りましたが、同協定の離脱を検討する米国は応じず、合意に至りませんでした。このため、米国を除く6カ国が同協定を迅速に実施すること
を再確認しました。

■ 北朝鮮問題については「国際的課題の最優先事項で、核・ミサイル問題は新たな段階の脅威」との認識を共有しました。北朝鮮に核・ミサイル計画を完全に放棄するよう要求するとしました。

 

 

 

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【今後の展開】主要課題はG20に先送り

 

■「G7首脳会議」は北朝鮮問題などで協調を示したものの、“米国第一主義”を掲げるトランプ米大統領の登場で、通商政策や地球温暖化対策を巡り、特に米国と欧州の溝が浮き彫りになりました。地球温暖化対策など主要課題が懸案として残り、7月にドイツのハンブルクで開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議に先送りされた形となりました。中国やロシア、新興国が加わるG20首脳会議は参加国の立場の違いが複雑であり、一段と議論の集約が難しいと見られ、注目されます。

 

(2017年 5月 30日)

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