南アフリカの金融政策(2017年5月) 現状維持が続く、政治リスクは引き続き通貨不安定要因

南アフリカの金融政策(2017年5月) 現状維持が続く、政治リスクは引き続き通貨不安定要因

 

【ポイント1】政策金利を据え置き

市場の予想通り

 

■南アフリカ準備銀行(中央銀行、以下中銀)は25日の金融政策委員会で、政策金利(レポ金利)を7.00%に据え置くことを決定しました。据え置きは、市場の予想通りです。前回会合に引き続き、6名の委員のうち5名が据え置きを支持した一方、1名が利下げに票を投じました。

 

 

 

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【ポイント2】経済見通しを下方修正

物価は中銀目標内の推移を見込む

 

■中銀は経済見通しについて、実質GDP成長率は17年を前年比+1.0%、18年を同+1.5%、19年を同+1.7%と予想しています。全体に前回から小幅に下方修正されましたが、引き続きプラス成長を維持し、足元から2019年にかけては成長率が加速する見通しとなっています。

■物価見通しについては、17年から19年にかけて同+5%台と、中銀の物価目標レンジ(同+3~6%)内に収まる見通しを維持しました。原油価格と国内電力料金の想定を引き下げたことから、17年、18年の見通しは前回から小幅に下方修正されました。

 

 

 

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【今後の展開】現状維持の見込み、政治リスクは通貨不安定要因

 

■4月の消費者物価指数は市場予想を下回って3月から大幅に低下したものの、物価目標レンジの上限に近い水準にあり、政策金利は当面据え置かれる見込みです。ここもと南アフリカでは政治の混乱が続き、4月には大手格付け会社のS&Pグローバル・レーティングが債務格付けを引き下げました。こうしたことが今回の中銀の成長見通し引き下げの背景であり、通貨ランドの下落要因となってきました。政治リスクは引き続きランドの不安定要因と見られます。

 

 

 

(2017年 5月26日)

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