南アフリカの金融政策(2017年5月) 現状維持が続く、政治リスクは引き続き通貨不安定要因

2017/05/26

南アフリカの金融政策(2017年5月) 現状維持が続く、政治リスクは引き続き通貨不安定要因

 

【ポイント1】政策金利を据え置き

市場の予想通り

 

■南アフリカ準備銀行(中央銀行、以下中銀)は25日の金融政策委員会で、政策金利(レポ金利)を7.00%に据え置くことを決定しました。据え置きは、市場の予想通りです。前回会合に引き続き、6名の委員のうち5名が据え置きを支持した一方、1名が利下げに票を投じました。

 

 

 

20170526af1

 

 

【ポイント2】経済見通しを下方修正

物価は中銀目標内の推移を見込む

 

■中銀は経済見通しについて、実質GDP成長率は17年を前年比+1.0%、18年を同+1.5%、19年を同+1.7%と予想しています。全体に前回から小幅に下方修正されましたが、引き続きプラス成長を維持し、足元から2019年にかけては成長率が加速する見通しとなっています。

■物価見通しについては、17年から19年にかけて同+5%台と、中銀の物価目標レンジ(同+3~6%)内に収まる見通しを維持しました。原油価格と国内電力料金の想定を引き下げたことから、17年、18年の見通しは前回から小幅に下方修正されました。

 

 

 

20170526af2

 

 

【今後の展開】現状維持の見込み、政治リスクは通貨不安定要因

 

■4月の消費者物価指数は市場予想を下回って3月から大幅に低下したものの、物価目標レンジの上限に近い水準にあり、政策金利は当面据え置かれる見込みです。ここもと南アフリカでは政治の混乱が続き、4月には大手格付け会社のS&Pグローバル・レーティングが債務格付けを引き下げました。こうしたことが今回の中銀の成長見通し引き下げの背景であり、通貨ランドの下落要因となってきました。政治リスクは引き続きランドの不安定要因と見られます。

 

 

 

(2017年 5月26日)

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー 南アフリカの金融政策(2017年5月) 現状維持が続く、政治リスクは引き続き通貨不安定要因

 

関連マーケットレポート

2017年5月26日 「FOMC議事要旨」と金融政策(米国)
2017年4月04日 南アフリカの格下げ(2017年4月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ