「FOMC議事要旨」と金融政策(米国)

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「米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨」は、FOMCから3週間後に公表されます。FOMC終了直後に公表される声明文で景気や物価、金融政策に関する判断が明らかにされますが、議事要旨はその判断に至るまでの議論が記録され、より詳細な情報を得ることができます。直近2017年5月2日~3日に開催されたFOMCでは、政策金利を据え置きました。その内容に関する議事要旨が、5月24日に公表されました。

【ポイント1】利上げの継続を示唆

1-3月期の成長率鈍化は、天候要因などによる一時的なものと判断

 

■議事要旨によれば、ほぼすべての参加者が、17年1-3月期の実質GDP成長率の減速(16年10-12月期の前期比年率+2.1%から同+0.7%に低下)やインフレ率の鈍化(17年3月の個人消費支出コア物価上昇率は前年同月比+1.6%)は、暖冬などの影響による一時的なものと判断しました。

■金融政策については、大半の参加者が、「経済が想定通りの展開となれば、すぐに追加的な金融緩和の解除が妥当になるだろう」と述べ、早ければ6月13日~14日に開催される次回FOMCで利上げに踏み切る可能性を示唆しました。

 

【ポイント2】FRBの資産規模も縮小へ

次回FOMCで決定・公表の可能性

 

■市場で注目されているFRBの資産縮小、すなわち保有する有価証券の償還金の再投資を止めることにより、4兆ドル強まで膨らんだFRBの資産を圧縮することについては、ほぼすべての参加者が、経済と政策金利が現在想定している軌道を辿るならば、今年に開始するのが適切と判断しました。

■さらに、保有有価証券を減少させるオペレーション(操作)について、追加的な詳細を早期に提示すべきであるとの点で合意しました。再投資政策の変更も、6月のFOMCで決定・公表される公算が大きいと見られます。

 

 

 

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【今後の展開】年内あと2回程度の利上げ見通し

 

■5月24日の米国市場では、「FOMC議事要旨」の内容が事前に予想していたほどタカ派的ではなかったと受け止められたことなどから、公表後に株価は上昇、債券利回りは低下、外為市場では米ドルが主要通貨に対して売られました。

■米国の景気は拡大基調を維持していますが、物価上昇率が低い水準にあることなどから、利上げのピッチを上げなければならないような状況ではありません。今年の利上げは年央と年末の計2回(3月の利上げを含め合計3回)にとどまる見通しです。

 

(2017年 5月 26日)

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