鉄鉱石・石炭の価格と豪ドルの動向 需給改善で価格は間もなく安定へ、豪ドルの下支え役に

鉄鉱石・石炭の価格と豪ドルの動向 需給改善で価格は間もなく安定へ、豪ドルの下支え役に

 

【ポイント1】価格は乱高下

足元は落ち着きつつある

 

■鉄鋼の主原料となる鉄鉱石の価格は、2017年2月下旬に1トン当たり90ドル台半ばまで上昇しましたが、これを当面のピークとして下げに転じました。足元では同60ドル台前半で推移しています。

■石炭は、鉄鋼用原材料としてのコークス製造などに利用される原料炭で見て、17年2月中旬の1トン当たり約150ドルから一時同300ドル台まで上昇したものの下落、直近では急騰前の水準である同150ドル台で推移しています。

 
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【ポイント2】鉄鉱石価格は間もなく安定へ

石炭は政府規制が当面の焦点

 

■石炭については、環境規制の強化を図る中国での生産規制が当面の焦点となりそうです。一方、鉄鉱石は、足元の価格が中国鉱山の損益分岐点を下回ってきたと見られ、今後、減産が予想されます。中国での社会資本整備の盛り上がりを踏まえると、間もなく需給、価格は安定に向かう見通しです。

 

【今後の展開】鉄鋼石は豪ドルの下支えに

 

■豪ドルの対円相場は、鉄鉱石や石炭等の資源価格の持ち直しを受け、昨年6月下旬を当面の底に戻り歩調を辿ってきました。

■足元では上昇一服となっていますが、①資源価格の持ち直し、②それによる輸出の拡大と、貿易収支の改善( 黒字転換) 、③ 豪州準備銀行(RBA)と日銀の金融政策の方向性の違い(RBAは中立姿勢維持の見通し、日銀は緩和姿勢継続)等から判断すると、今後も豪ドルの対円相場は底堅く推移すると予想されます。

 

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(2017年 5月24日)

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