インドの経済・市場動向(2017年5月)景気回復や資金流入などから株式・通貨とも堅調推移

インドの経済・市場動向(2017年5月)景気回復や資金流入などから株式・通貨とも堅調推移

【ポイント1】消費者物価の伸び鈍化

卸売物価指数も減速

■4月の消費者物価指数は前年同月比+3.0%と、3月の同+3.9%から伸びが鈍化し、市場予想(ブルームバーグ、同+3.3%)を下回りました。約4割のウェイトを占める食品の伸びが鈍化したことに加え、食品・光熱を除くコアの伸びも同+4.4%と、3月の同+5.1%から減速しました。

■4月の卸売物価指数も同+3.9%と、3月の同+5.3%から伸び率が鈍化しました。食品インフレの鎮静化や燃料価格の押し上げが和らいだことが背景です。

 

20170518as1

 

【ポイント2】金融政策はしばらく据え置き

先行きは利上げの可能性

■足元のインフレがインド準備銀行(中央銀行、以下RBI)の目標中心値である+4%を下回っていることもあり、当面金融政策は据え置かれる見込みです。しかし、RBIは、中長期のインフレ動向を重視しています。景気拡大ペースは今後強まると見られ、需要面からのインフレ圧力が高まることや過剰流動性を警戒し、先行きは利上げを実施すると見られます。

 

20170518as2

 

【今後の展開】株式、通貨ともに堅調な展開が見込まれる

■17年に入り、インドの株式市場と通貨インドルピーは堅調に推移しています。3月のインド地方選挙でモディ首相の与党、インド人民党が圧勝し、経済改革の期待が高まったことで、海外投資家からの資金が流入したことが背景です。

■代表的な株式指数のSENSEX指数は5月17日、過去最高値を更新しました。景気回復や足元の落ち着いたインフレ環境、税制改革進捗、さらには企業業績回復への期待などを手掛かりに、上昇基調が続きそうです。

■インドルピーは米ドルに対し5月17日時点で、約1年9カ月ぶりの高値水準に上昇しています。景気回復に加え、RBIが金融環境を適切に調整することにより、今後もインドルピーは堅調を維持しそうです。

 

(2017年 5月18日)

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー インドの経済・市場動向(2017年5月)景気回復や資金流入などから株式・通貨とも堅調推移

関連マーケットレポート

2017年 5月17日 アジアの通貨動向(2017年5月)
2017年 4月20日 インドの経済・市場動向(2017年4月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会