OPEC「生産枠」遵守で需給好転へ(グローバル)

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OPEC(石油輸出国機構)は、国際石油資本から石油産出国の利益を守ることを目的として、1960年9月に設立されました。加盟国は2017年5月現在で13カ国を数えます。その原油生産量は世界の33%程度を占め、原油の供給や価格形成といった面で依然、重要な役割を担っています。OPECの最高意思決定機関は、全加盟国が参加する総会です。OPECの当面の焦点は、現行の「生産枠」が継続されるかどうかです。

【ポイント1】OPECは「生産枠」を遵守

 

合意された上限を下回る生産量

■OPEC月報の2017年5月号によれば、4月のOPEC原油生産量は日量3,173万バレルとなり、16年11月の臨時総会で合意した生産枠の同3,250万バレルを77万バレルほど下回りました。1-3月期実績の同3,194万バレルとの比較では、同21万バレルの減産となります。

 

【ポイント2】サウジアラビアの貢献大

 

「生産枠」の継続が目先の焦点

■生産枠の設定を免除されているリビアとナイジェリアを除く加盟11カ国のうち、4月の減産幅(生産量上限と生産実績の比較)が大きかったのはサウジアラビア(同10万バレル)、イラン(同4万バレル)、アラブ首長国連邦(UAE、同3万バレル)などです。他方、上限を超えたのは4カ国で、いずれも小幅にとどまりました。このほかロシアなどOPEC非加盟の産油国も減産を進めています。

■国際エネルギー機関(IEA)によれば、世界的な景気拡大の持続やOPECによる協調減産の実施などから、17年の原油需給は需要超過に転換する見込みです。OPECの「生産枠」 は今年6月末に期限を迎えますが、5月25日開催予定の定例総会で「生産枠」維持が決定されると考えられます。

 

 

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【今後の展開】原油価格は底堅い展開へ

■足元の原油価格はWTIで見て、バレル当たり50ドルを挟んでのもみ合いとなっています。米国のシェールオイルの増産懸念に加え、OPEC「生産枠」の延長を巡る不透明感なども、価格の抑制要因となっているようです。

■需給動向から判断すると、原油価格が大きく値を崩すことはないと考えられます。ただ、価格がバレル当たり同55ドル~60ドルを超えてくると、シェールオイル増産の公算が大きく、上値も限られる見込みです。当面は50ドル近傍での推移となりそうです。

(2017年 5月 16日)

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