良好さを維持する米国の雇用統計(2017年4月)サービス業を中心に雇用は順調に拡大

良好さを維持する米国の雇用統計(2017年4月)サービス業を中心に雇用は順調に拡大

【ポイント1】雇用は順調に拡大

 

4月は前月比21万人の増加

■2017年4月の非農業部門雇用者数は前月比21.1万人の増加となり、市場予想(ブルームバーグ集計)の同19.0万人増を上回りました。

■3月の雇用増加数の鈍化(同7.9万人増)は、やはり天候要因による一時的なものだったと考えられます。民間サービス業をけん引役に、雇用は3カ月移動平均で見て月平均+17万人強のペースで順調に伸びています。

 

 

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【ポイント2】失業率は引き続き改善

賃金は緩やかに増加

■失業率は前月の4.5%から4.4%に低下しました。就業者数(労働需要)が増加する一方、労働力人口(労働供給)が伸び悩んだためです。

■他方、賃金は前月比0.3%増となり、市場予想と一致しました。前年同月比では2.5%増となります。失業率の改善が示す通り労働需給は引き締まってきていますが、企業がコスト管理を強めていることなどから、最近の賃金上昇率は足踏み状態にあります。

 

 

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【今後の展開】株価は堅調な展開へ

■雇用統計が公表された5月5日の米債券市場では、雇用の伸びが市場予想を上回ったため、当初利回りは上昇しました。しかし、注目された賃金上昇率が伸び悩んだことから低下に転じ、結局、前日比ほぼ横ばいとなりました。一方、ニューヨーク株式市場では、雇用統計の内容を受け景気の先行きに対する安心感が強まったことや、原油価格が上昇したことなどを好感して株価は上昇しました。

■米国の景気、雇用は拡大基調を維持していますが、賃金上昇率は緩やかであり、物価の上昇は緩慢なものにとどまると見られます。これらを踏まえると、今後の利上げペースも緩やかなものになると予想され、年内は6月と12月の2回程度になる見込みです。今後、債券利回りは緩やかに水準を切り上げ、株価は景気・企業収益の拡大を織り込む展開になると考えられます。

 

(2017年 5月 8日)

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