「展望レポート」は景気判断を上方修正(日本)

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日本銀行(日銀)は、年4回(通常1月、4月、7月、10月)の政策委員会・金融政策決定会合において、先行きの経済・物価見通しや上振れ・下振れ要因を詳しく点検し、そのもとでの金融政策運営の考え方を整理した「経済・物価情勢の展望(「展望レポート」)」を決定し、公表しています。今回の「展望レポート」では消費税率の引き上げ(8%→10%)が予定されている2019年度分の見通しが新たに公表されました。

【ポイント1】景気判断を「緩やかな拡大に転じつつある」と上方修正

輸出や生産の評価引き上げが主因

■4月27日、日銀は最新の「展望レポート」を発表しました。景気の現状判断については、「緩やかな拡大に転じつつある」と、前回3月の金融政策決定会合時の判断から上方修正しました。輸出や生産の評価を「持ち直し」から「増加基調」へと引き上げたことが主因です。また、現状判断の引き上げに伴い、景気の先行きについても「緩やかな拡大を続ける」と判断を引き上げました。

【ポイント2】物価の下振れリスクを懸念

GDP成長率は上方修正

■景気判断が上方修正されたのと同様、実質GDP成長率の見通しも、表の通り上方修正されました。今回新たに発表された2019年度分については、2019年10月に予定されている消費税の増税が成長率を抑制すると見られています。

■物価については、2017年度分が下方修正されました。実際の物価上昇率がこのところ幾分弱めの動きで、予想物価上昇率は弱含みの局面となっていることから、「企業の価格・賃金設定スタンスが想定よりも慎重なものにとどまる」リスクがあると指摘されています。

 

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【今後の展開】物価見通しは下方修正の可能性も見込まれる

■日銀は、2%の物価安定の目標の達成に向けて金融緩和を継続するとしています。今回の「展望レポート」では、2018年度頃には2%程度に達するとの見通しを据え置きました。この目標の達成時期は当初より後ずれしてきていますが、政策委員の物価上昇見通しはトーンダウンしており、今後さらに下方修正される可能性があります。物価安定の目標達成にはさらに時間を要すと見られ、日銀の金融緩和は長期化しそうです。

(2017年 5月 1日)

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