ECBの金融政策(2017年4月)現状の金融緩和策維持を決定
ECBの金融政策(2017年4月)現状の金融緩和策維持を決定
【ポイント1】金融政策を据え置き
金融緩和バイアスを維持
■欧州中央銀行(ECB)は4月27日の理事会で、政策金利、中銀預金金利(金融機関がECBに余剰資金を預け入れた際に適用する金利)をそれぞれ0.00%、▲0.40%に据え置く決定をしました。
■また、合計で月600億ユーロの国債や社債などを購入し、金融市場に資金を供給する量的金融緩和政策は、少なくとも17年末まで継続し、必要ならばそれ以降も継続するとの判断も維持されました。
■なお、将来の金融政策に対する考え方を示す「フォワードガイダンス」についても変更なく、「資産購入終了後も、政策金利は現状水準かそれ以下の水準で推移することを期待する」とされました。
【ポイント2】経済判断は下振れリスク減少
物価判断は変更なし
■ドラギ総裁は、経済判断について、「景気拡大はしっかりしてきており、幅広いものになるだろう」と述べました。また、物価判断については、「基調はなお抑制されている」との従来の発言を繰り返しました。実際、消費者物価上昇率は、2月に前年同月比+2.0%に到達した後、3月にはエネルギー価格の影響などで同+1.5%まで鈍化しました。さらに消費者物価コア指数(食品・エネルギーを除く)指数は同+0.7%と低水準となっています。
【今後の展開】金融緩和は継続だが、9月頃から緩和縮小へ向けた動きが視野に
■今回は従来スタンスが維持されましたが、景気が回復し、インフレも緩やかながら底入れしつつあると見られます。現時点では、9月理事会頃からのタイミングで量的金融緩和縮小が発表される見通しです。
■なお、金融政策の変更・調整には、コアの消費者物価指数や賃金動向、期待インフレなどの指標が特に重要と見られ、ECBはこれらの数値の状況を確認した後、実際の発表に踏み切る見込みです。
(2017年 4月 28日)
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