米国債券市場の動向(2017年4月)長期金利は、当面一進一退での展開を予想

米国債券市場の動向(2017年4月)長期金利は、当面一進一退での展開を予想

【ポイント1】国債利回りは年明け以降、一進一退

 

利上げ実施するも、財政拡大懸念はやや縮小

■米国では、緩やかながらも景気は拡大基調にあります。そのような中で、3月には米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが行われました。インフレは落ち着いているものの、今後も緩やかなペースで利上げを継続することや、量的緩和(国債やモーゲージ債の償還金再投資)の縮小も検討していくFRBの姿勢が示され、国債利回りの上昇要因となっています。

■一方、政府と議会の関係はスムーズとは言えません。医療保険改革の頓挫もあり、政府が掲げるインフラ投資の増加や減税などの財政拡大に対する市場の期待は後退し、国債利回りの低下要因となっています。

 

 

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【ポイント2】社債の利回り差縮小は止まる

投資家需要は根強いが、魅力度はやや低下

■米国の社債と国債の利回り差は、2016年春以降は縮小傾向にありました。それは、世界的に緩和的な金融環境、好調な米国景気や企業業績に加え、インフレが落ち着いていたことなどが要因です。

■しかし、年明け以降は利回り差の縮小傾向から、概ね横這いでの推移へと局面は変わってきています。投資家の社債全般への需要は根強いものの、ハイイールド債券の米国債との利回り差は約2年半ぶりの水準まで縮小しており、資金流入の減少が見受けられます。

 

 

 

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【今後の展開】米国債利回りや、社債と国債の利回り差は、当面一進一退を予想

■米国政府が検討している景気刺激策は、議会の審議によって大幅な財政悪化を避けるような規模に落ち着きそうです。また、インフレは当面落ち着いて推移する見通しであり、利上げのペースも緩やかと予想されるため、米国債の利回りは、当面一進一退での推移を予想します。

■社債については、利回りの魅力度がやや低下し、信用リスクもありますが、国債の利回りが現状程度にとどまる中では、少しでも利回りの高い資産への需要は根強いと見込まれます。
 

 

(2017年 4月 26日)

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