「フランス大統領選挙」の第1回投票(欧州)

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「フランス大統領選挙」は4月23日に第1回投票が行われました。各種メディアによれば、選挙の結果、中道で無所属のマクロン前経済相と極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首の2人が、5月7日に行われる決選投票に進むことになりました。決選投票では、欧州連合(EU)との関係や移民問題などをめぐり、立場が大きく異なる両候補が激しい選挙戦を繰り広げることになります。

【ポイント1】マクロン氏、ルペン氏が決選投票進出

フィヨン氏は3位、メランション氏は4位

■23日に実施された「フランス大統領選挙」の第1回投票は、中道系候補のマクロン元経済産業デジタル相が1位、極右政党・国民戦線のルペン党首が2位となりました。いずれの候補も過半数を獲得できなかったため、2候補が5月7日の決選投票に進みます。

■選挙は事前の予想どおりの接戦となりました。フランス内務省によると、得票率(97%の開票時点)は、1位のマクロン氏が23.86%、2位のルペン氏が21.43%、3位の中道右派・共和党のフィヨン氏が19.94%、4位の急進左派・左翼党のメランション氏が19.62%でした。

【ポイント2】市場に安心感が広がる

株式、為替市場はリスクオンで反応

■「フランス大統領選挙」の第1回投票を受けて、為替市場ではユーロが大きく買い戻され、株式市場は上昇しました。24日の東京市場では、ユーロは対ドルで1.0866ドル水準、対円で119.78円水準へ上昇しました。日経平均株価は18,875円に上昇しました(24日15時時点)。

■市場は、反EUを掲げるルペン氏とメランション氏が決選投票に進むシナリオを警戒していたため、選挙結果により安心感が広がり、リスクオン(選好)の動きとなりました。

 

 

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【今後の展開】世論調査では決選投票はマクロン氏が優勢

■直近の世論調査(Ipsos、23日実施)によると、決選投票ではマクロン氏の支持率が62%、ルペン氏が38%と、マクロン氏が勝利する予想となっています。また、得票率で3位に終わったフィヨン氏は23日、大統領選の敗北を認めた上で、マクロン氏の支持を表明しました。5位の社会党のアモン前国民教育相もマクロン氏に投票する意向を示しています。

■5月7日の決選投票を控え、大規模なテロ発生などによる支持率の変化には注意が必要と見られますが、市場が恐れるルペン大統領誕生は回避される見通しです。今回の結果を受けて、ユーロ圏の堅調な景気を反映し、通貨ユーロには上昇圧力が高まりやすいと思われます。

(2017年 4月 25日)

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