「フランス大統領選挙」直前のポイント(欧州)

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今回の「フランス大統領選挙」は、4月23日に第一回投票が実施され、そこで過半数を獲得する候補者が出ない場合には、1位と2位の候補者で5月7日に第二回投票が行われます。最新の世論調査では、ルペン氏とマクロン氏が1、2位となり、第二回の決戦投票に進むと見られますが、足元でメランション氏の人気も急上昇してきており、依然、混戦模様となっています。

【ポイント1】マクロン氏、ルペン氏、フィヨン氏などが立候補

マクロン氏、ルペン氏の支持がトップで拮抗し、フィヨン氏がこれに続く

■4月23日の「フランス大統領選挙」の第一回投票まで1週間を切りました。主な候補者は、国民戦線のルペン党首や、中道系の独立候補のマクロン氏、共和党のフィヨン氏です。ルペン氏は反EUや反ユーロ等を掲げ、勝利した場合にはEU加盟国とのEU離脱に向けた交渉とこれの是非を問う国民投票を実施するとしています。一方、オランド政権下で経済産業デジタル相を務めたマクロン氏は39歳と若く、政治家としての経歴は浅いものの、若年層の支持を多く獲得しています。また、共和党のフィヨン氏は1月に不正疑惑が発覚し、それまで世論調査等で高い支持を得ていましたが、最近はルペン氏、マクロン氏に続く支持率にとどまっています。

【ポイント2】メランション氏の人気が急上昇

討論会での演説が好評価を獲得

■直近の世論調査(Ifop-fiducial)では、ルペン氏が24%、マクロン氏が23%、フィヨン氏が19%、メランション氏が18.5%と、急進左派のメランション氏の支持がフィヨン氏に急接近しています。

■メランション氏の支持が急上昇したのは、大統領候補11名によって4月4日に行われた、4時間にも及ぶテレビ討論会での同氏の演説が高い評価を受けたためです。

 

 

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【今後の展開】マクロン氏とルペン氏が決選投票に進み、マクロン氏が勝利か

■現時点では、第1回投票でマクロン氏とルペン氏が1位、2位を占め、第2回投票ではマクロン氏が極右のルペン氏支持者以外の支持を獲得する形で大統領に選出されるとの見方が有力です。フランスでは、国民の約8割が欧州域内の移動の自由を支持していることや、景気や雇用情勢が改善傾向にあること、所得格差が米国や英国ほどではないことによって反EUといった極端な政策が広く受け入れられる素地が整っている訳ではないと考えられること、などがその背景にあります。

■ただし、ここにきて急進左派でEU離脱を示唆しているメランション氏の支持率が高まるなど、依然として不安材料があることは否めません。第1回投票まで1週間を切りましたが、引き続き注目が必要です。

(2017年 4月 17日)

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