米国企業業績と株式市場の見通し 足元はやや頭が重いが、年後半に向け堅調な展開を想定

米国企業業績と株式市場の見通し 足元はやや頭が重いが、年後半に向け堅調な展開を想定

 

【ポイント1】1-3月期の企業業績は堅調

「エネルギー」セクターが大幅増益

■S&P500種採用企業の2017年1-3月期決算は前年同期比+10.1%(トムソンロイター集計4月5日付)となる見通しです。2016年10-12月期(同+8.0%)から伸びが加速した模様です。

■セクター別に見ると、「エネルギー」は同+604.8%と前期(同+5.5%)から大幅な増益となり、素材も同+14.8%と前期(同+7.1%)を上回る見込みです。原油価格など資源価格の改善と安定が寄与しています。「金融」は2016年7-9月期に同+8.5%とプラスに転換した後、2017年1-3月期では同+15.4%と増益率が上昇しています。米国の金利水準が正常化する中で収益の改善が進んでいます。「情報技術」はグローバル景気の拡大から輸出が持ち直しつつあることや、ドル高の一服などにより増益になったと見込まれます。

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 【ポイント2】「情報技術」の株価は堅調

「エネルギー」の株価は出遅れが目立つ

■情報技術」セクターの株価は、2016年8月以降堅調に推移しています。半導体・半導体製造装置の業績が、グローバル景気の回復と世界的な半導体需要の拡大から好調に推移していることなどが背景です。

■「エネルギー」セクターは、大幅な増益見込みとなっていますが、利益水準の回復にはまだ時間がかかりそうです。株価も出遅れ感が目立ちます。

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【今後の展開】年後半に向け堅調な展開を想定

<足元はやや頭の重い展開>

■企業業績予想の改善度合い(モメンタム)をみるリビジョンインデックス(4週間移動平均)は、好調な企業業績を背景に、2017年3月30日に3.5と2週連続で0を上回りました。0を上回るのは2016年8月以来となります。2015年以降の米国では、リビジョンインデックスが0を上回ると、その後しばらくして再びマイナスに転じる傾向があります。今回もこの傾向があてはまれば、今後、リビジョンインデックスは悪化へ向かうおそれがあります。株式市場は、リビジョンインデックスが悪化する過程で軟調に推移する傾向があるため、足元ではやや頭の重い展開が想定されます。

<年後半に向け徐々に堅調さを取り戻そう>

■米国株式市場は、S&P500で3月1日に史上最高値を更新しました。ただ、利益と株価との関係をみた株価収益率は18倍台と、過去と比較してやや高い水準で推移しており、バリュエーションの拡大は期待しにくい状況にあると思われます。ただ、①グローバル景気の拡大基調に変化は見られない、②米国の企業業績は2018年も堅調さを維持すると予想される、③トランプ政権の財政政策は2017年10-12月期に発動されると予想され、2017年の企業業績にも上振れの余地がある、など、米国企業業績を巡る環境は良好で、リビジョンインデックスも好転する可能性があります。年後半に向け、業績の拡大に沿った上昇が期待できると思われます。

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(2017年 4月 6日)

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