南アフリカの金融政策(2017年3月)政策金利据え置き:ランドは政治リスクに注意
南アフリカの金融政策(2017年3月)政策金利据え置き:ランドは政治リスクに注意
【ポイント1】政策金利を据え置き
市場の予想通り
■南アフリカ準備銀行(中央銀行、以下中銀)は30日の金融政策委員会で、政策金利(レポ金利)を7.00%に据え置くことを決定しました。
■現状維持は、市場の予想通りでした。前回は全会一致でしたが、今回の同委員会では5委員が据え置きを支持、1委員が利下げを主張しました。
【ポイント2】物価見通しを下方修正
中銀は当面政策金利を維持
■中銀は声明文で、景気見通しについて、17年、18 年の実質GDP 成長率の予想を前年比+1.2%、+1.7%と、前回から0.1%ずつ上方修正しました。物価の見通しについては、通貨(南アフリカランド)の上昇を背景に、17年を前回の6.2% から5.9% へ、18年を5.5% から5.4%にそれぞれ下方修正しました。
■また、中銀は引き締め局面の終了時期に達した可能性があるとしました。ただし、通貨の下落など引き続き物価上振れリスクを警戒していることから、政策金利は当面据え置きが見込まれます。
【今後の展開】南アフリカランドは政治リスクに注意が必要
■資源国通貨とされる南アフリカランドは、資源価格の上昇に加え、経常収支が改善したことを手掛かりに、3月下旬に対円で約1年5カ月ぶりの高値圏に上昇するなど、足元まで堅調な動きが続いていました。
■しかし、南アフリカのズマ大統領が、市場の信任の厚いゴーダン財務相を解任したことで、南アフリカランドは急落しています。同財務相の解任により、財政の構造改革が遅れ、同国の格付けが下がるリスクが懸念されました。南アフリカランドは資源価格の堅調推移や経常収支改善などの上昇要因があるものの、ズマ大統領の後継者争いを含め、引き続き政治リスクには注意が必要です。
(2017年 3月 31日)
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