家計の「金融資産」は1,800兆円(日本)

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家計の「金融資産」は、日本銀行(日銀)が3カ月ごとに発表している“資金循環統計”で把握することができます。“資金循環統計”は金融機関や企業、家計、政府など各部門の「金融資産」と負債の推移を、預金や貸出といった金融商品ごとに記録した統計です。これにより、おカネの流れを全体的に把握することができます。例えば、家計がどの「金融資産」を保有し、どの「金融資産」に資金を移動させたかなどを見ることができます。

【ポイント1】家計の「金融資産」は1,800兆円

現金・預金が52.0%で依然半分以上を占める

■3月17日、日銀は2016年12月末の“資金循環統計”(速報)を発表しました。これによると、家計の「金融資産」の残高は前年末比+0.9%の1,800兆円と、過去最高を更新しました。内訳を見ると、現金・預金が同+1.8%の937兆円と全体の52.0%となり、家計の「金融資産」の半分以上を占めています。また、投資信託は同+0.2%の96兆円と微増となりましたが、株式等は同▲0.4%の167兆円と減少しました。

【ポイント2】企業の「金融資産」は1,101兆円

対外証券投資が前年比で大幅な伸び

■企業(民間非金融法人企業)の「金融資産」の残高は前年末比+3.9%の1,101兆円と、金融負債の同+1.0%の伸びを上回る増加となりました。内訳を見ると、現金・預金が同+7.5%の244兆円、株式等が同+2.4%の312兆円で、この2つの合計で企業の「金融資産」の半分超となります。また、対外証券投資の全体に占める割合は3.6%と多くはないものの同+39.3%、と大幅な伸びとなりました。

 

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【今後の展開】NISAやiDeCoなど、新しい優遇制度を活用した資産形成を

■家計の「金融資産」に占める各資産の割合は、比較可能な2005年以降、現金・預金は概ね48~54%台、株式等は13%未満で推移しています。日銀の“資金循環の日米欧比較”(2016年9月末時点)によると、米国の家計に占める現金・預金の割合は13.9%と日本よりも低く、株式等は35.4%、投資信託は10.7%と高い割合を占めています。この間、米国ではリーマン・ショック翌年の2009年以降、日本では第二次安倍政権が誕生した2012年以降株価は上昇傾向にあります。また日本では、足元の金融緩和により金利は極めて低水準となっています。このような局面では、現金・預金よりも株式などで運用した場合、資産の増加が期待できます(ただし、株式等の有価証券には価格変動リスクがあります)。こうした中、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型DC)など投資に関する税制優遇の新しい制度が導入されており、これらの活用も資産形成の一助と考えられます。

(2017年 3月 30日)

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