最近の欧州の指標とマーケット(2017年3月) 景気回復が続く見込みで、金融緩和も縮小方向へ

最近の欧州の指標とマーケット(2017年3月)

 

【ポイント1】企業景況感は改善傾向継続

消費者物価も上昇基調継続

■ 3月のユーロ圏PMI(速報値)は、製造業が56.2、サービス業が56.5に上昇しました。ともに約6年振りの高水準です。ユーロ圏のPMIは実体経済との相関が高く、ユーロ安などによる好調な輸出や、ドイツを中心とした堅調な雇用環境が景気改善を支えています。

■原油価格上昇などの影響で、消費者物価は上昇してきました。17年2月には前年同月比で+2.0%となり、欧州中央銀行(ECB)が物価安定の目途としている水準をわずかに上回りました。

 

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 【ポイント2】金利は低水準ながらも底入れ

政局不安のある国の国債はより金利上昇

■ECBによるマイナス金利政策や国債買取などの量的緩和政策による影響などを受け、2016年の夏から秋頃にかけてドイツの10年国債利回りは一時マイナスに低下しました。また、その他ユーロ圏各国の長期金利も全般的に低水準で推移してきました。

■しかし、景気回復やインフレ率の上昇、米国債利回り上昇の影響などから、ユーロ圏の国債利回りも16年10月以降は緩やかながら上昇に転じました。最近では、ECBが金融緩和策を縮小するとの思惑も出てきています。

■イタリアやフランスなど政局不安などを抱える国の国債は、16年の終盤頃から対ドイツ国債の利回り差が拡大しています。一方、投資適格社債の対ドイツ国債の利回り差は小動きに終始しています。

 

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【今後の展開】景気は回復傾向継続、長期金利は緩やかな上昇局面へ

■引き続き輸出が牽引し、ユーロ圏景気は改善傾向が続く見通しです。また、物価が上昇してきたこともあり、一部のECB高官から金融緩和策縮小に関するコメントが出るなど、今後はECBによる利上げや量的緩和策の縮小などが意識される展開が予想され、ユーロ圏各国の長期金利は緩やかながらも上昇局面となる見通しです。

 

(2017年 3月 29日)

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