資源価格の上昇で輸出が拡大する豪州経済(2017年3月)景気は上向き、豪ドルも堅調に推移しよう
資源価格の上昇で輸出が拡大する豪州経済(2017年3月)
【ポイント1】増勢を強める豪州の輸出
資源輸出の増加が目立つ
■豪州統計局によれば、2016年下半期の財サービス輸出額は前年比9.8%の増加となりました。半期ベースの前年同期比では、14年上半期以来の増加となります。17年1月の同輸出額も前年同月比28.3%増と好調を持続しました。中国経済の持ち直しを受けて、豪州の主力産品である鉱物や石炭の価格が上昇していること等によるものです。
■世界的な景気拡大や資源価格の上昇等から、企業の景況感も上向いています。求人広告件数が増加傾向にあることも考え合わせると、豪州の雇用、個人消費は増勢を維持する見込みです。
【ポイント2】金融政策は中立スタンス
物価は落ち着いた動き
■豪州準備銀行(RBA)は3月7日に開催した金融政策決定会合で、政策金利を1.50%に据え置くことを決定しました。
■先行きの金融政策についての言及は特にありませんでしたが、経済が堅調さを取り戻すなか、物価も落ち着いた推移が見込まれるため、今後も政策のスタンスは中立維持と見られます。
【今後の展開】豪州通貨・資産に追い風続く
■豪ドルの対円相場は、鉄鉱石や石炭等の資源価格の持ち直し等から、昨年6月下旬を当面の底に戻り歩調を辿っています。国内景気や国際収支が改善基調にあること、RBAの金融政策も中立維持が見込まれることなどを踏まえると、今後も豪ドルの対円相場は底堅く推移すると予想されます。
(2017年 3月 22日)
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