最近の新興国通貨の動向(2017年3月)年明けの新興国通貨動向は堅調
最近の新興国通貨の動向(2017年3月)年明けの新興国通貨動向は堅調
【ポイント1】新興国への投資環境は悪くない
米国の利上げは緩やかなペース
■米国を中心に世界経済は堅調さを増しています。3月15日には米国で利上げが行われましたが、インフレが落ち着いているため、今後の利上げは緩やかなペースで行われると見られます。このため、米国の利上げが新興国資産への投資を抑制することになる可能性は低いと見込まれます。
■また、中国経済は堅調さを増しており、新興国経済全般にとって追い風です。市場の懸念材料とされている欧州各国の政治問題も、先日のオランダ下院選挙では極右政党の躍進が回避されるなど、今のところ落ち着いた状況です。
【ポイント2】新興国の中でも選別が進む
経済や政治の状況は大きく異なる
■ブラジルは、インフレが落ち着いてきたことで金融緩和による景気回復が見込まれ、政府による財政・経済改革の進展も期待されます。また、資源価格の底入れも好材料で、南アフリカなども同様です。
■一方、メキシコは、米国のトランプ政権による保護主義的な通商政策の意向や構造改革の遅れがマイナス要因です。また、トルコでは、反政府組織によるテロの影響で観光産業などが低迷しています。
【今後の展開】新興国は引き続き経済や政治環境により選別される展開を予想
■米国を中心に世界景気が回復ないしは安定してきている状況下で、新興国も輸出環境の改善や資源価格の落ち着きなどで景気が回復する素地が整いつつあります。このような状況を背景に成長性が高く、高利回りの国が多い新興国には資金が流入しやすく、通貨の上昇も期待できます。
■ただし、上述の通り、新興国の中でも各国が置かれている状況は大きく異なるため、経済成長や政治の安定やこれらの改善が期待できる国を選別することがポイントとなります。
(2017年 3月 22日)
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