「オランダ総選挙」、極右第一党ならず(欧州)

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3月15日、オランダ下院議会の総選挙が実施されました。ここ数年、反移民などを主張して支持率を伸ばしてきた極右の自由党は事前の世論調査で一時は支持率トップとなっていましたが、結果は与党の1つで首相を擁する自由民主国民党(VVD)が第一党を維持し勝利を収めました。自由党は第一党とならずとも、なお存在感を残しました。今後は、年内に欧州で予定される選挙でポピュリズムの勢いが続くのかが注目されます。

【ポイント1】ポピュリズムの高まりが続くのか、高い関心を集めた

現与党の1つのVVDが予想以上に健闘し、第一党を維持

■3月15日、オランダで実施された下院議会の総選挙は、今年欧州主要各国で予定される選挙の皮切りとして注目されました。特に、英国がEU離脱を選択したことにみられる欧州でのポピュリズムの高まりがどのように選挙結果となって表れるかといった点が世界的な注目を集めました。投票率は約80%と、非常に高くなりました。

■選挙結果は、総議席数150議席のうち、極右の自由党が20議席(選挙前15議席)から議席を伸ばしたものの、第二党にとどまりました。現与党の自由民主国民党(VVD)は議席を減らしましたが、事前に予想されていたよりも健闘し、33議席(同41議席)を確保して第一党を維持しました。

【ポイント2】自由党は議席を伸ばすも伸び悩み

VVDの右傾化が一つの要因

■世論調査では、自由党が一時は支持率トップとなるなど、強い存在感を見せていました。しかし、投票日が近付くに連れてVVDがより右寄りの姿勢を強めたことから、自由党の支持が伸び悩み、投票結果においても予想以上に議席が伸びなかったと見られます。一方、VVDと共に政権を組んだ労働党は選挙前の38議席から9議席へと大幅に議席を減らしたほか、民主66やグリーン・レフトなどが議席を伸ばすなど、選挙前と比べオランダ下院議会の勢力図は大きく変わることになります。

 

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【今後の展開】連立交渉は時間を要する見込み

■今回の選挙で勝利したVVDは単独過半数を獲得できなかったことから、今後はVVDを中心に連立交渉が進むと見られます。VVDを除くと、各党の獲得議席数は全体の20%未満であることから、4党程度での連立政権となることが予想されます。過去の例を見ると、連立交渉には数カ月を要しており、今回も連立交渉には時間がかかりそうです。今回の「オランダ総選挙」では、極右の自由党は第一党とならずとも、なお存在感を残しました。今後は、フランス大統領選挙など、年内に欧州で予定される選挙でポピュリズムの勢いが続くのかにも注目です。
(2017年 3月 21日)

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