トルコの金融政策(2017年3月)政策金利を部分的に引き上げ

トルコの金融政策(2017年3月)政策金利を部分的に引き上げ

 

【ポイント1】貸出金利を引き上げ

主要な政策金利は据え置き

■トルコ中央銀行(以下、中銀)は16日に開催した金融政策決定会合で、事実上の上限金利として使用する「後期流動性貸出金利」を0.75%引き上げ、11.75%とする引き締め策を決定しました。同金利の引き上げは1月に続き2会合連続です。

■ただし、主要な政策金利の翌日物貸出金利、1週間物レポ金利、翌日物借入金利はそれぞれ9.25%、8.00%、7.25%で据え置きました。

 

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 【ポイント2】インフレ抑制が目的

政治サイドに対しても配慮

■中銀は声明文で、トルコリラ安による影響に加え、食品価格の大幅な変動が物価上昇につながったと指摘し、インフレ見通しの悪化を防ぐために、金融引き締めを強化したと説明しています。

■しかし、主要な政策金利が据え置かれたことは、金融政策が景気減速を懸念する政治からの圧力を受けていることを窺わせるものです。通貨安阻止のためには引き締めスタンスを維持する必要があり、通貨安定と政治サイドへの配慮との双方を目的に決定された、自由度の乏しい政策変更と思われます。

 

 

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【今後の展開】トルコリラは政治リスクに注意が必要

■中銀の貸出金利引き上げを受け、16日のニューヨーク市場ではトルコリラが対米ドル、対円でやや上昇しました。15日の米国の利上げ後も、先行きの米利上げペースが緩やかになるとの見方から、トルコリラなどの新興国通貨を売る動きは起きていません。

■しかし、トルコでは4月16日に、エルドアン大統領の権限強化につながる憲法改正案の是非を問う国民投票が控えています。引き続き政治リスクにも注意が必要と見られます。

 

(2017年 3月 17日)

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