日銀の金融政策(2017年3月)金融政策は現状維持、日米金利差は拡大方向

日銀の金融政策(2017年3月)金融政策は現状維持、日米金利差は拡大方向

 

【ポイント1】金融政策は現状維持

市場の予想通り

■日銀は16日、市場の予想通り、金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定しました。短期の政策金利を▲0.1%、長期金利である10年物国債利回りをゼロ%程度に操作する金融調節を維持するとしました。また、長期国債を買い増すペースも年約80兆円目途に据え置きました。

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 【ポイント2】景気判断は概ね前回通り

1月の物価は13カ月ぶりに上昇

■日銀は、国内の景気判断を据え置き、先行きの経済については、緩やかな拡大に転じていくとの見方を維持しました。また物価については、エネルギー価格の動きを反映して0%程度から小幅のプラスに転じた後、経済全般の需給バランスの改善による中長期的な予想物価上昇率の高まりに連れて、日銀が目標とする2%に向けて上昇率が高まるとの見方も維持しました。

■1月の消費者物価指数(除く生鮮食品)は、前年同月比+0.1%と13カ月ぶりに上昇に転じました。

 

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【今後の展開】日米金利差は円安要因

■今回の金融政策の据え置きは市場予想通りで、金融市場では大きな反応はありませんでした。しかし、前夜の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが実施されたなかでも、利上げペースの高まりを示唆する内容ではなかったことから、前日に比べやや円高となっています。米国では年内にあと2回程度の緩やかなペースでの利上げが予想されています。このため、日米金利差は拡大すると考えられ、米ドル高・円安要因となりそうです。また、米国が緩やかながらも着実に利上げを行い、円安傾向となれば、輸出企業を中心に企業収益が上向くなど、日本経済にとって良好な環境となることが期待されます。

 

(2017年 3月 16日)

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