米国の金融政策(2017年3月)緩やかなペースでの利上げ継続を示唆

米国の金融政策(2017年3月)緩やかなペースでの利上げ継続を示唆

 

【ポイント1】政策金利を0.25%引き上げ

経済はほぼ完全雇用の状態

■3月14日、15日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場の予想通り政策金利(FFレート)の誘導レンジを0.25%引き上げ、0.75%~1.00%とすることを決定しました。

■利上げの理由としては、①失業率が完全雇用といわれる水準に到達し、物価上昇率も緩やかに加速してきた、②こうした状況で金融緩和の解除を先延ばしすると、景気の過熱を招き、将来大幅な利上げを迫られる恐れがある、等が考えられます。

 

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 【ポイント2】政策金利見通しは据え置き

緩やかな景気拡大が続く見通し

■声明文によれば、「労働市場は引き続き力強さを増し、経済は緩やかな成長を維持」する見通しです。この見通しに対する「短期的なリスクは上振れと下振れで概ね均衡」でした。前回FOMCと同様の内容です。

■FOMC参加者の経済予想も、昨年12月時点の予想から特に大きな修正はありませんでした。政策金利は、17年、18年とも年3回の利上げが見込まれています(17年は今回の利上げも含みます)。

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【今後の展開】緩慢なペースでの利上げ継続を示唆

■今回のFOMCでは利上げが実施されましたが、声明文の内容は前回からほとんど修正がなく、FOMCメンバーによる経済・政策金利の見通しもほぼ据え置かれました。緩やかな景気拡大のもと、物価上昇率が低い水準で落ち着いているため、今後の利上げペースは緩慢なものにとどまると予想されます。

■15日のニューヨーク市場では、株価が上昇、債券利回りは低下しました。声明文や経済見通しが、緩やかな利上げ継続を確認するような内容だったためです。FRBの政策姿勢等から判断すると、今後、国債利回りはレンジ内での推移、株価は景気・企業業績の拡大を織り込む展開になる見通しです。

 

(2017年 3月 16日)

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